目次
- 結論:技能者ID・事業者ID・現場IDは誰が持ち、どの欄に書くか
- 3つのIDの違いを1つの表で確かめる
- 様式ごとに書く欄の早見表
- CCUSの技能者IDを確認する方法
- キャリアアップカードの表面で確かめる
- カードが手元にないときの調べ方
- 登録していない・申請中の作業員の欄はどうするか
- 事業者IDの調べ方と、元請・一次会社の番号の集め方
- 自社の事業者IDを確かめる手順
- 元請・一次会社・下請の事業者IDを聞くときの依頼文
- 作業員名簿の技能者ID・事業者ID・現場IDの書き方
- 上の欄:事業者IDと現場IDの記入例
- 作業員の行:技能者IDの記入例
- 差し戻されやすい書き間違い
- 施工体制台帳の事業者ID・現場IDの書き方
- 会社名の欄と事業所名の欄の記入例
- 古い様式を使っていないかの見分け方
- 再下請負通知書など、事業者IDを書くそのほかの書類
- 再下請負通知書の事業者IDの記入例
- 二次より下の会社が書く一次会社の事業者ID
- 技能者IDを書類のたびに転記しないための管理方法
- Excelの一覧表で管理するときの列と注意点
- SITE BOARD(サイトボード)で一度入れた情報を安全書類に使う
- 明日の書類作成の前にやっておくこと
入場前日の夕方に、元請から「作業員名簿の技能者IDが空欄です」と差し戻されたことはありませんか。現場帰りの職人に電話をかけ直し、番号を1桁ずつ聞き取るのは手間がかかります。この記事では、技能者ID・事業者ID・現場IDを誰に聞けばよいか、どの様式のどの欄に書くかを、記入例つきでまとめました。番号を集める順番が先に決まるので、聞き直しと書き直しが減ります。
結論:技能者ID・事業者ID・現場IDは誰が持ち、どの欄に書くか
3つのIDは、持ち主がそれぞれ違います。
- 技能者ID:作業員本人の番号です。作業員1人に1つあります
- 事業者ID:会社の番号です。一人親方も、事業者登録をしていれば本人が持っています
- 現場ID:元請が建設キャリアアップシステム(CCUS)に現場を登録したときに決まる番号です
調べる場所も、IDごとに決まっています。
- 技能者IDは、作業員本人のキャリアアップカードで分かります
- 事業者IDは、事業者登録が終わったときの通知か、事業者としてCCUSにログインした画面で分かります
- 現場IDは、元請に確認するしかありません
差し戻しが起きる原因の多くは、この3つの区別があいまいなまま名簿を作り始めることです。たとえば、技能者IDの欄に会社の事業者IDを書いてしまうケースがあります。現場IDを自社で調べようとして時間を使うケースもあります。
書類を作る前に、番号を集める順番を決めておくと手が止まりにくくなります。
- 元請に、元請の事業者IDと現場IDをまとめて聞く
- 自社の事業者IDを、通知かログイン画面で確かめる
- 自社の作業員からはカードの写真を、協力会社からは事業者IDと技能者IDの一覧をもらう
この順で集めれば、書く欄に迷うのは最初の1回だけです。2回目からは手元の一覧から書き写すだけで済みます。
3つのIDの違いを1つの表で確かめる
| ID | 誰の番号か | どこで分かるか | 主に書く書類 |
|---|---|---|---|
| 技能者ID | 作業員本人(1人に1つ) | キャリアアップカードの表面、本人のログイン画面 | 作業員名簿 |
| 事業者ID | 会社(事業者登録した一人親方も) | 登録完了時の通知、事業者のログイン画面 | 作業員名簿・施工体制台帳・再下請負通知書 |
| 現場ID | 元請が登録した現場 | 元請への確認 | 作業員名簿・施工体制台帳 |
技能者IDは、キャリアアップカードに印字された14桁の番号です。作業員が会社を移っても、同じ人なら番号は変わりません。
事業者IDは会社単位の番号で、その会社に所属する技能者全員に共通です。作業員名簿では、同じ会社の作業員が何人いても、事業者IDは上の欄に1回書けば足ります。事業者IDの桁数や表記の仕方は、CCUSの公式の案内で確かめてください。
現場IDは、元請が現場をCCUSに登録すると発番されます。下請の側で作ることはできない番号です。元請がまだ現場を登録していなければ、番号そのものがありません。

様式ごとに書く欄の早見表
| 様式 | 事業者IDを書く欄 | 現場ID・技能者IDを書く欄 |
|---|---|---|
| 作業員名簿(全建統一様式第5号) | 上の欄の元請・一次会社・自社 | 上の欄に現場ID、作業員の行に技能者ID |
| 施工体制台帳(全建統一様式第3号の新しい様式) | 会社名の欄 | 事業所名の欄に現場ID |
| 再下請負通知書(全建統一様式第1号-甲) | 元請名称の横、自社(報告下請負業者)と再下請負業者の欄 | なし |
全建統一様式は、版によって欄の有無や位置が違います。古い版にはIDを書く欄がないこともあります。書く前に、元請から配られた様式の欄名を見て、どこに何を書くかを確かめてください。
CCUSの技能者IDを確認する方法
技能者IDを確かめるのに最も早いのは、作業員本人のキャリアアップカードを見ることです。カードの表面には、氏名と並んで技能者IDが印字されています。
事務所で名簿を作るときは、作業員にカードの写真をスマートフォンで送ってもらう方法が手軽です。その際は、次の3点を伝えておくと撮り直しが減ります。
- 明るい場所で、番号が読める大きさで撮る
- 光が反射して数字が白く飛ばないよう、斜めから撮る
- 表面を撮る(裏面ではなく、氏名が書いてある面)
写真を受け取ったら、14桁を1桁ずつ読み合わせます。「6」と「8」、「1」と「7」は、小さな写真だと見間違えやすい数字です。不安なときは本人に電話で読み上げてもらい、写真と照らし合わせます。
作業員によっては、カードが手元にない場合や、まだ申請中の場合もあります。場面ごとの対応は次のとおりです。
| 場面 | まずやること |
|---|---|
| カードを持っている | 表面の写真を送ってもらう |
| カードを家に忘れた・なくした | 本人にCCUSにログインしてもらう |
| 協力会社の作業員 | その会社の事務担当者に一覧をもらう |
| 申請中で番号が出ていない | 欄を空けて、元請に「申請中」と伝える |
確認の方法やログイン画面の作りは、変わることがあります。最新の手順は、建設キャリアアップシステムの公式サイト(運営は一般財団法人建設業振興基金)の案内で確かめてください。
キャリアアップカードの表面で確かめる
カードの表面には、氏名・技能者ID・有効期限などが印字されています。名簿に書き写すのは、このうち技能者IDの14桁です。
取り違えが起きやすいのは、有効期限の日付やほかの数字を技能者IDと思い込むケースです。見分けるときは桁数を数えます。14桁でなければ、その数字は技能者IDではありません。
新規入場者教育の受付は、照らし合わせに向いた場面です。受付でカードを見せてもらい、名簿の技能者IDと番号を見比べます。その場で違いが分かれば、すぐに直せます。あとから職人に電話をかけ直す必要がなくなります。
カードが手元にないときの調べ方
作業員本人がCCUSにログインすれば、自分の登録情報から技能者IDを確かめられます。ログインのIDやパスワードが分からない作業員もいるので、本人だけで難しいときは家族や会社が手伝う形になります。
自社の社員や、自社に所属する技能者として登録している作業員なら、会社が事業者としてログインした画面からも確かめられます。画面の名称や開き方は、公式のマニュアルで確認してください。
協力会社の作業員の番号は、その会社の事務担当者にもらうのが確実です。職人一人ひとりに聞くより、会社でまとめた一覧のほうが抜けや聞き違いが起きにくくなります。名簿を頼むときに「技能者IDの一覧も一緒に」と添えておくと、往復が1回で済みます。
登録していない・申請中の作業員の欄はどうするか
申請中で番号がまだ出ていない作業員の欄は、推測で埋めずに空けておきます。同じ会社の別の人の番号を仮に書くのは、取り違えの元になります。空けた欄については、元請に「申請中」と伝えておきます。
空欄をどう扱うか、備考に何と書くかは、元請ごとに指定が違う場合が多いところです。「申請中と書く」「空欄のまま提出し、口頭で伝える」など、会社の状況によって異なります。迷ったら、提出前に元請の担当者に聞いておくと差し戻しを防げます。
番号が届いたあとの流れは、次のとおりです。
- [ ] 届いた技能者IDが14桁あるか数えた
- [ ] 名簿の該当する行に書き入れた
- [ ] 差し替えた名簿を元請に出し直した
- [ ] 社内の一覧(後で紹介します)にも番号を足した
事業者IDの調べ方と、元請・一次会社の番号の集め方
自社の事業者IDは、事業者登録が終わったときの通知か、事業者としてCCUSにログインした画面で確かめられます。
ただし、書類に書く事業者IDは自社の分だけではありません。作業員名簿には、元請や一次会社の事業者IDを書く欄があります。再下請負通知書には、元請や再下請負業者の事業者IDを書きます。つまり、他社の番号を集める段取りが必要です。
立場ごとに、集める番号を整理すると次のようになります。
| 自社の立場 | 集める事業者ID |
|---|---|
| 一次下請 | 元請、自社、自社の下請(いれば) |
| 二次下請 | 元請、一次会社、自社、自社の下請(いれば) |
| 三次より下 | 元請、一次会社、直近上位の会社、自社、自社の下請(いれば) |
一人親方は、事業者登録をしていれば事業者IDと技能者IDの両方を持っています。同じ人の番号が2つあるので、名簿の上の欄には事業者ID、作業員の行には技能者IDと書き分けます。一人親方本人に聞くときは「会社としての番号」と「カードの番号」を分けて聞くと、取り違えを防げます。
事業者IDは、現場が変わっても同じ番号です。一度集めた番号を会社ごとに控えておけば、同じ元請や協力会社と次に組む現場では聞かずに済みます。この「控えておく」がいちばん効く手間の減らし方です。
自社の事業者IDを確かめる手順
- 登録完了時の通知を探します。メールで受け取ったなら、受信箱で「建設キャリアアップ」や「事業者ID」で検索します。書類で届いたなら、許可証や保険の書類と同じファイルを見ます
- 見つからなければ、事業者としてCCUSにログインし、自社の登録情報で確かめます
- 確かめた番号を、書類担当と経営者の両方が見られる場所に控えます
事業者登録の手続きをした人しか番号を知らない会社は少なくありません。その人が休んだ日に名簿の提出が重なると、書類が止まってしまいます。社内で番号を知っている人を、少なくとも2人にしておきます。
元請・一次会社・下請の事業者IDを聞くときの依頼文
元請には、使い道と必要な番号をまとめて聞きます。現場IDも同じ連絡で聞いておくと、往復が減ります。
作業員名簿と再下請負通知書に記入するため、貴社の事業者IDと、本工事の現場IDを教えてください。
自社の下請には、会社の番号と作業員の番号を一度に頼みます。名簿の順に並べてもらうと、書き写すときに行がずれません。
事業者IDと、入場予定者全員の技能者IDを名簿の順でお送りください。
自社が二次より下なら、一次会社の事業者IDも必要です。一次会社と直接やりとりがない場合は、直近上位の会社に聞いてもらいます。
電話で聞いた番号は、聞き間違いが起きやすくなります。「7(なな)」と「1(いち)」、「4」と「7」は電話口で混ざりがちです。番号はメールやFAXなど、文字で受け取るようにします。電話で聞いた場合も、あとで文字で送ってもらうよう一言添えます。
作業員名簿の技能者ID・事業者ID・現場IDの書き方
全建統一様式第5号の欄全般(資格、保険、健康診断など)の書き方は、コラム一覧にある作業員名簿の関連記事で扱っています。この節では、IDを書く欄だけに絞ります。
作業員名簿のIDは、書く場所で性質が分かれます。
- 上の欄の事業者IDと現場ID:会社と現場で決まる番号です。その現場の名簿なら、何枚になっても同じです
- 作業員の行の技能者ID:1人ずつ違う番号です
ここからは、架空の「○○様邸 屋根葺き替え工事」を例にします。元請は「△△ホーム」、一次会社は「□□屋根工業」、自社は二次の「◇◇板金」です。番号は見本の表記で、実在の番号ではありません。
上の欄の記入例(自社が二次の場合)
| 欄 | 書く内容 | 見本 |
|---|---|---|
| 事業所の名称 | 現場の名称 | ○○様邸 屋根葺き替え工事 |
| 現場ID | 元請から聞いた番号 | 0000…(元請から聞いた番号) |
| 元請の事業者ID | △△ホームの番号 | 0000…(元請の番号) |
| 一次会社名・事業者ID | □□屋根工業と、その番号 | 0000…(一次会社の番号) |
| (2次)会社名・事業者ID | ◇◇板金と、自社の番号 | 0000…(自社の番号) |
作業員の行の記入例
| 番号 | 氏名 | 技能者ID |
|---|---|---|
| 1 | 佐藤 一郎 | 00000000000001 |
| 2 | 佐藤 健二 | 00000000000002 |
| 3 | 鈴木 学 | 00000000000003 |
技能者IDの見本は、どれも14桁です。実際に書くときも、写した後に桁数を数えます。
上の欄:事業者IDと現場IDの記入例
書く事業者IDの数は、自社の立場で変わります。
- 自社が一次下請:元請の事業者IDと、自社の事業者IDを書きます
- 自社が二次より下:元請と自社に加えて、一次会社の事業者IDも書く欄があります
現場IDは、元請から聞いた番号をそのまま書きます。分からないときは空欄にして、元請に確かめます。前の現場の番号や、似た工事の番号を仮に入れることはしません。
書き終えたら、会社名と事業者IDの組み合わせを見直します。多いのは、一次会社の欄に元請の番号を書いてしまうずれです。元請と一次会社の番号を同じメモに並べて控えていると起きやすくなります。メモに会社名を必ず添えておくと防げます。
作業員の行:技能者IDの記入例
名簿の番号1・2・3の順に、カードの14桁を省略せずに書きます。途中を「…」で略したり、下の数桁だけ書いたりはしません。
書くときは、氏名の漢字やフリガナと一緒に確かめます。上の例のように「佐藤」が2人いる現場では、番号の入れ違いが起きやすくなります。カードの写真と氏名を1人ずつ見比べ、名簿の行と一致しているかを指でたどります。
番号の区切り方や、半角・全角の指定は、元請の記入要領に合わせます。4桁ごとに区切る、続けて書くなど、元請ごとに指定が違うことがあります。指定がなければ、カードの表記どおりに書いておけば読み違いは起きにくくなります。
差し戻されやすい書き間違い
| 書き間違い | 起きやすい場面 | 防ぎ方 |
|---|---|---|
| 技能者IDの欄に事業者IDを書く | 一人親方や、会社からまとめて番号が届いたとき | 番号の出どころ(カードか会社か)を控えに書く |
| 桁が足りない・1桁ずれる | 写真を見ながら手で転記したとき | 書いた後に14桁を数える |
| 現場IDの書き換え忘れ | 前の現場の名簿を流用したとき | 流用するときは最初に現場IDを消す |
| 退職者・未入場者の行が残る | 前の現場の名簿を流用したとき | 入場予定者の名前と1人ずつ突き合わせる |
前の現場の名簿を流用すると、作る時間は短くなります。そのぶん、書き換え忘れが2つまとめて起きやすくなります。流用するときは、現場IDの欄と作業員の行を最初に見直すと決めておきます。
施工体制台帳の事業者ID・現場IDの書き方
新しい全建統一様式第3号の施工体制台帳では、会社名の欄に事業者IDを、事業所名の欄に現場IDを書く作りになっています。
この様式はA3横で、左が元請、右が下請1社の作りです。そのため、下請会社の数だけシートが増えます。各シートの右側には、その下請会社の事業者IDを書きます。下請が5社なら5枚になり、右側の事業者IDも5社分必要です。
元請として台帳を作る場合は、下請から事業者IDを集めておかないと右側の欄が埋まりません。工事が始まってから集めると、台帳の作成が後回しになります。下請に注文書を出す時点で、事業者IDもあわせて聞いておくと段取りが楽になります。
集め方の目安は次のとおりです。
- 下請に注文する段階で、事業者IDを聞く
- 下請が再下請する場合は、再下請負通知書で再下請負業者の事業者IDを受け取る
- 集まった番号を、台帳の各シートの右側に書く
台帳全体の書き方や添付書類は、ここでは扱いません。IDを書く欄だけに絞って説明します。
会社名の欄と事業所名の欄の記入例
元請の「△△ホーム」が、一次下請の「□□屋根工業」について台帳を作る例です。
| 欄 | 書く内容 | 見本 |
|---|---|---|
| 元請の会社名・事業者ID | 自社名と自社の事業者ID | △△ホーム/0000…(元請の番号) |
| 元請の事業所名・現場ID | 現場名と現場ID | ○○様邸 屋根葺き替え工事/0000…(現場ID) |
| 下請の会社名・事業者ID | 下請会社名とその事業者ID | □□屋根工業/0000…(一次会社の番号) |
現場IDは、作業員名簿と施工体制台帳で同じ番号になります。2つの書類を並べて、現場IDが一致しているか見比べます。どちらかだけ前の現場の番号が残っている、という食い違いはこの見比べで見つかります。
下請の欄の事業者IDは、シートごとに違う番号になります。シートを複製して作ると、前のシートの番号が残りやすくなります。複製したら、最初に右側の会社名と事業者IDを書き換えます。
古い様式を使っていないかの見分け方
会社名の欄や事業所名の欄に、IDを書く場所がなければ、古い版の可能性があります。手元のファイルが何年も前に保存したものなら、まず欄の作りを確かめます。
様式の最新版の入手先や、旧様式との違いは、別の記事で扱っています。先ほど紹介したコラム一覧から探せます。
元請から指定の版があるときは、そちらを優先します。元請が古い版を指定している場合もあります。その場合に自分の判断で新しい版に差し替えると、かえって差し戻しの原因になりかねません。
再下請負通知書など、事業者IDを書くそのほかの書類
再下請負通知書(全建統一様式第1号-甲)には、事業者IDを書く欄が複数あります。
- 元請名称と、元請の事業者ID
- 自社(報告下請負業者)の事業者ID
- 再下請負業者の事業者ID
自社が二次より下のときは、作業員名簿などに一次会社名と一次会社の事業者IDも書くことになります。
ここまでの書類を並べると、同じ番号を何度も書いていると分かります。たとえば元請の事業者IDは、作業員名簿と再下請負通知書の両方に出てきます。自社の事業者IDは、作業員名簿・再下請負通知書のどちらにも書きます。
書類ごとに番号を探していると、そのたびに転記ミスの機会が増えます。番号は1か所にまとめて控え、どの書類もそこから写すようにします。
再下請負通知書の事業者IDの記入例
宛先(直近上位の注文者)と元請の欄は、取り違えやすいところです。一次下請と二次下請では、宛先が変わります。
| 欄 | 自社が一次下請の場合 | 自社が二次下請の場合 |
|---|---|---|
| 宛先(直近上位の注文者) | △△ホーム(元請) | □□屋根工業(一次会社) |
| 元請名称・事業者ID | △△ホーム/元請の番号 | △△ホーム/元請の番号 |
| 報告下請負業者(自社) | 自社名/自社の番号 | 自社名/自社の番号 |
| 再下請負業者 | 自社の下請/その会社の番号 | 自社の下請/その会社の番号 |
一次下請の場合は、宛先と元請が同じ会社になります。二次下請の場合は別の会社になるため、宛先に元請の名前を書いてしまう間違いが起きやすくなります。
再下請負業者が2社以上なら、会社ごとに書きます。書き始める前に、各社の会社名と事業者IDを一覧にしておきます。一覧があれば、1社書くたびに番号を探し直す必要がありません。
元請の事業者IDは会社の番号なので、元請に一度聞けば、同じ元請の別の現場でも使えます。
二次より下の会社が書く一次会社の事業者ID
二次下請の場合、直近上位の注文者が一次会社です。注文書をくれた会社の事業者IDを書けば、それが一次会社の番号になります。
三次より下になると、一次会社と直近上位の会社が別になります。たとえば三次下請なら、直近上位は二次の会社で、一次会社はさらにその上です。両方の会社名と番号を、それぞれ確かめます。
一次会社の番号が分からないときは、次の流れで確認します。
- 直近上位の会社に、一次会社の会社名と事業者IDを聞く
- 直近上位の会社も分からなければ、その会社から一次会社に確認してもらう
- 届いた番号を文字で受け取り、会社名と一緒に控える
一次会社と直接やりとりがない会社が、自分で一次会社に連絡するのは気が引けるものです。直近上位の会社を通すと、話が早く進みます。
技能者IDを書類のたびに転記しないための管理方法
技能者IDも事業者IDも、現場が変わっても変わらない番号です。それなのに、現場のたびに職人へ電話をかけ、写真を見ながら書き写していないでしょうか。聞くたびに時間がかかり、書き写すたびに桁ずれの機会が生まれます。
手間を減らす方法は、番号を1か所に集めておくことです。Excelで管理するなら、作業員の一覧と会社の一覧の2つを作ります。
- 作業員の一覧:氏名・所属会社・技能者ID・確認日
- 会社の一覧:会社名・立場・事業者ID・確認日
会社の一覧には、自社だけでなく元請と協力会社の番号もまとめます。元請の事業者IDと、その元請の現場ごとの現場IDも、ここに書き足しておくと便利です。
ただ、一覧を作っても、一覧から書類へ写す作業は残ります。転記のたびに桁ずれが起きる可能性があるので、書類へ入れる回数そのものを減らすのが楽になる近道です。たとえば、名簿の様式に直接貼り付けられる形で一覧を作っておけば、手で打つ回数は減ります。
Excelの一覧表で管理するときの列と注意点
列は「氏名」「所属会社」「技能者ID」「確認日」の4つにします。
| 氏名 | 所属会社 | 技能者ID | 確認日 |
|---|---|---|---|
| 佐藤 一郎 | ◇◇板金 | 00000000000001 | (例)4月10日 |
| 佐藤 健二 | ◇◇板金 | 00000000000002 | (例)4月10日 |
| 鈴木 学 | ◇◇板金 | 00000000000003 | (例)4月12日 |
Excelで番号を扱うときは、セルの表示形式に注意が必要です。
- 初期設定のまま入れると、先頭の0が消えます
- 14桁の数字は「1.23457E+13」のような表示に変わることがあります
番号を入れる前に、技能者IDの列を選び、セルの表示形式を「文字列」にしておきます。すでに入れた番号を後から「文字列」に変えても、消えた0は戻りません。最初に設定しておくのが確実です。
確認日の列は、見直しの目安に使います。キャリアアップカードには有効期限があります。年に1回など時期を決めて、確認日が古い人から見直します。新しく入った人は、入社した週のうちに番号を足しておくと、初めての現場で慌てずに済みます。
SITE BOARD(サイトボード)で一度入れた情報を安全書類に使う
SITE BOARD(サイトボード)では、サイドバー「書類管理」>「安全書類」の画面で、作業員名簿を含む全建統一様式の書類を作れます。いちばん左の「作業員名簿」タブで、作業員マスタに登録した作業員にチェックを付けると名簿に載ります。載せる順番は▲▼で入れ替えられ、その順で様式の「番号」1、2、3が付きます。

上の画面のように、上の共通項目に入れた内容が、下のタブの書類すべてに入ります。
自社の事業者IDは、自社情報の「安全書類の会社情報」に登録しておくと、新しい現場を作るときの初期値になります。前に作った現場でも、共通項目「自社の情報」の右にある「自社情報から取り込む」を押せば入れ直せます。
下請の事業者IDは、共通項目の「下請会社」で「+ 下請会社を追加」を押し、「協力会社から選ぶ」を使います。協力会社マスタに事業者IDを登録しておけば、会社名や住所と一緒に入ります。

協力会社の登録画面には、上のとおり「事業者ID (CCUS)」の欄があります。
自社の立場で「下請」を選ぶと、共通項目に「元請の事業者ID」の欄が出ます。二次より下なら「一次会社の事業者ID」の欄も出ます。現場IDは「作業員名簿」タブの「現場ID」欄に入れると、施工体制台帳の事業所名の欄にも一緒に印字されます。

作業員マスタの一覧には技能者IDの列があり、作業員ごとの番号を並べて見られます。
共通項目を1回入れておけば、作業員名簿・再下請負通知書・施工体制台帳など11種類の様式をPDFで出せます。Excelのダウンロードは本登録(ご契約)後に使えます。出力は保存した内容から作るので、入力を直したら先に「保存する」を押します。機能の全体はSITE BOARDのトップ、料金は料金プランで確かめられます。
明日の書類作成の前にやっておくこと
次の現場の名簿を作る前に、番号集めを済ませておきます。夕方の書類作業で手が止まる原因の多くは、番号がまだ手元にないことだからです。
今週中にやること
- 次の現場に入る作業員の名前を書き出す
- 自社の作業員には、キャリアアップカードの表面の写真を送ってもらう
- 協力会社には、事業者IDと入場予定者全員の技能者IDを名簿の順で頼む
- 自社・元請・協力会社の事業者IDを、会社名と並べて一覧にする
- 元請には、元請の事業者IDと現場IDをまとめて聞く
すでに一覧がある会社は、確認日が古い人と新しく入った人だけ見直せば十分です。
名簿を出す前に見直す3点
- [ ] ID欄の取り違え:技能者IDの欄に事業者IDが入っていないか。一次会社の欄に元請の番号が入っていないか
- [ ] 桁数:技能者IDが14桁そろっているか
- [ ] 現場IDの書き換え忘れ:前の現場の名簿を流用していないか。作業員名簿と施工体制台帳で同じ番号か
全部の欄を見直す時間がない日でも、この3点だけは確かめておくと差し戻しが減ります。
番号を書類のたびに打ち直す作業を減らしたい人は、SITE BOARDを試す方法もあります。無料で使い始めるから登録し、作業員マスタに数人の作業員を入れて、作業員名簿を1枚PDFで出してみてください。自社の名簿づくりに合うかどうかを、実際の現場の名簿で確かめられます。