目次
- ガルバリウム鋼板の重さの計算式
- 表示厚さは、めっき前の原板の厚さ
- めっき量定数(AZ150 は 0.200kg/㎡)
- ガルバリウム鋼板の重さ早見表(AZ150)
- 重さの計算例
- 平板1枚(0.35mm × 914mm × 1,829mm)
- コイル(0.35mm × 914mm)
- 役物(水切り:展開幅130mm × 長さ2,700mm × 4本、0.35mm)
- 銅板・ステンレスの重さとの違い
- 重さを使う場面
- 無料ツールで重さとコイルの本数をまとめて出す
- よくある質問
- ガルバリウム鋼板0.35mmの1㎡の重さは?
- カラーガルバリウム鋼板は、塗装なしより重いですか?
- 板厚が同じなら、トタン(亜鉛めっき鋼板)と重さは同じですか?
- 段取りの前に確かめること
荷揚げのクレーンやトラックを手配するとき、「このコイル、何kgある?」と聞かれて、メーカーの表を探し回ったことはありませんか。ガルバリウム鋼板の重さは、板厚から出す1㎡あたりの重さ(単位質量)に面積を掛ければ、電卓で出せます。板厚別の早見表と、平板・コイル・役物の計算例を並べたので、段取りの電話の前にさっと確かめられます。
ガルバリウム鋼板の重さの計算式
ガルバリウム鋼板(溶融55%アルミニウム-亜鉛合金めっき鋼板)の質量の計算方法は、JIS G 3321 に決められています。塗装したカラーガルバリウム鋼板の JIS G 3322 も、同じ手順です。
| 順序 | 計算 | 丸め方 |
|---|---|---|
| 1. 原板の単位質量 | 7.85kg/(mm・㎡) × 表示厚さ(mm) | 有効数字4桁 |
| 2. めっき後の単位質量 | 原板の単位質量 + めっき量定数 | 有効数字4桁 |
| 3. 板1枚の質量 | めっき後の単位質量 × 面積(㎡) | 有効数字3桁 |
| 4. コイル1mの質量 | めっき後の単位質量 × 幅(m) | 有効数字3桁 |
丸め方は JIS Z 8401 の規則Aによります。ふだんの四捨五入とほぼ同じですが、捨てる部分がちょうど5のときは、残す最後の桁が偶数になるほうへ丸めます。規格は日本規格協会のJIS G 3321・JIS G 3322のページで確かめられます。
表示厚さは、めっき前の原板の厚さ
0.35mm などの表示厚さは、めっきをする前の原板の厚さです。めっき後の実際の厚さは少し厚くなります。重さの計算では、表示厚さ×7.85の原板の重さに、めっきの重さを「めっき量定数」として足します。
めっき量定数(AZ150 は 0.200kg/㎡)
屋根や外装に使われるめっき付着量 AZ150 のめっき量定数は、0.200kg/㎡ です。板厚0.35mmなら次のとおりです。
- 原板:7.85 × 0.35 = 2.7475 → 有効数字4桁で 2.748kg/㎡
- めっき後:2.748 + 0.200 = 2.948kg/㎡
塗装の塗膜の重さは、この計算に含まれません。
ガルバリウム鋼板の重さ早見表(AZ150)
| 表示厚さ | 単位質量 | 914mm幅 1mあたり | 1,000mm幅 1mあたり |
|---|---|---|---|
| 0.27mm | 2.320kg/㎡ | 2.12kg | 2.32kg |
| 0.30mm | 2.555kg/㎡ | 2.34kg | 2.56kg |
| 0.35mm | 2.948kg/㎡ | 2.69kg | 2.95kg |
| 0.40mm | 3.340kg/㎡ | 3.05kg | 3.34kg |
| 0.50mm | 4.125kg/㎡ | 3.77kg | 4.12kg |
| 0.60mm | 4.910kg/㎡ | 4.49kg | 4.91kg |
1mあたりの値は、規則Aで有効数字3桁に丸めています。1,000mm幅の0.30mm(2.555)は2.55と2.56のちょうど真ん中なので、最後の桁が偶数の2.56にします。0.50mm(4.125)も同じ理由で4.12です(四捨五入なら4.13)。
単位質量は日鉄鋼板のガルバリウム鋼板の単位質量表の値と同じです。ほかの幅は、単位質量 × 幅(m)で出せます。1,219mm幅なら1mあたり、0.35mmは3.59kg、0.40mmは4.07kg、0.50mmは5.03kg、0.60mmは5.99kgです。
屋根1枚分の重さを知りたいときは、先に屋根の面積と材料の数量が要ります。屋根の形と寸法から、屋根面積・屋根材の枚数・役物の長さまで自動で計算できます。
屋根材の数量計算
屋根の形をイラストから選び、図の記号の寸法と勾配を入れるだけで、屋根面積、屋根材の枚数・本数、ルーフィングの巻数、棟・隅棟・谷などの役物の長さと貫板の本数を自動で計算。複合屋根(L字・T字・コの字)・棟違い・下屋にも対応し、割付図つきで、施工の決まりごとはAIが読み取ります。
ツールを使う
重さの計算例
平板1枚(0.35mm × 914mm × 1,829mm)
- 面積:0.914 × 1.829 = 1.671706 → 有効数字4桁で 1.672㎡
- 1枚の質量:2.948 × 1.672 = 4.929… → 有効数字3桁で 約4.93kg
コイル(0.35mm × 914mm)
- 1mあたり:2.948 × 0.914 = 2.694… → 有効数字3桁で 2.69kg
- 10m:2.69 × 10 = 26.9 → kgの整数に丸めて 約27kg
- 20m:2.69 × 20 = 53.8 → kgの整数に丸めて 約54kg
1mあたりを丸めずに掛けると、20mは 2.948 × 0.914 × 20 = 約53.9kg です。役物の展開幅の記事と無料ツールはこちらの出し方です。差は0.1kgなので、段取りにはどちらを使ってもかまいません。
役物(水切り:展開幅130mm × 長さ2,700mm × 4本、0.35mm)
- 面積:0.13 × 2.7 × 4 = 1.404㎡
- 重さ:1.404 × 2.948 = 約4.1kg
役物は、展開幅(折り寸法の合計)× 長さ × 本数の面積から重さを出します。
銅板・ステンレスの重さとの違い
ほかの板材も「単位質量 × 面積」で出すのは同じで、単位質量の出し方が違います。
| 板材 | 単位質量の出し方 | 0.35mm・0.4mmの例 |
|---|---|---|
| ガルバリウム鋼板(AZ150) | 7.85 × 板厚 + 0.200 | 0.35mm:2.948kg/㎡ |
| 銅板(C1220) | 比重 8.94 × 板厚 | 0.35mm:3.129kg/㎡ |
| ステンレス(SUS304) | 基本質量 7.93 × 板厚 | 0.4mm:3.172kg/㎡ |
| ステンレス(SUS445J1) | 基本質量 7.69 × 板厚 | 0.4mm:3.076kg/㎡ |
銅の比重は三菱マテリアルが公表している値、ステンレスの基本質量はJIS G 4305の値です。同じ板厚なら銅板はガルバリウム鋼板より重く、ステンレスは鋼種で少し変わります。
| 板厚 | 銅板(C1220) | ステンレス(SUS304) | ステンレス(SUS445J1) |
|---|---|---|---|
| 0.30mm | 2.682kg/㎡ | 2.379kg/㎡ | 2.307kg/㎡ |
| 0.35mm | 3.129kg/㎡ | — | — |
| 0.40mm | 3.576kg/㎡ | 3.172kg/㎡ | 3.076kg/㎡ |
| 0.50mm | 4.470kg/㎡ | 3.965kg/㎡ | 3.845kg/㎡ |
| 0.60mm | 5.364kg/㎡ | 4.758kg/㎡ | 4.614kg/㎡ |
ステンレスの「—」は、JIS G 4305 の標準の厚さ(0.30・0.40・0.50・0.60mm など)に無い板厚です。
重さを使う場面
- 荷揚げ・運搬の段取り:914mm幅・0.35mmの20mコイルなら1本約54kg、3本で約162kgです。人の手で上げるか、機械を頼むかの目安になります
- 材料費の見積り:kg単価で決まる材料は、使う長さや枚数から重さを出して金額にします
- 屋根にかかる重さの比較:葺き替えやカバー工法で、屋根材の重さを比べる目安にします
無料ツールで重さとコイルの本数をまとめて出す
役物の板取り・コイル計算
水切り・唐草・ケラバなどの役物の展開幅・長さ・本数から、コイルからの板取り、何mのコイルを何本注文すればよいか、鋼板の重さまで自動で計算。ガルバリウム鋼板・銅板・ステンレスに対応し、手書きの役物の図はAIが読み取ります。
ツールを使う
SITE BOARD(サイトボード)の無料ツール「役物の板取り・コイル計算」は、展開幅・長さ・本数を入れると、コイルからの板取り・注文するコイルの本数・鋼板の重さまで自動で計算できます。板材・板厚・コイルの幅を選ぶと、役物の重さと、注文するコイルの重さが出ます。銅板とステンレス(鋼種を選べます)にも対応し、板取り図も表示します。ほかのツールは無料ツールの一覧から使えます。
よくある質問
ガルバリウム鋼板0.35mmの1㎡の重さは?
めっき付着量AZ150なら2.948kgです。7.85 × 0.35 を有効数字4桁に丸めた2.748kgに、めっき量定数0.200kgを足した値です。
カラーガルバリウム鋼板は、塗装なしより重いですか?
JISの計算方法は塗膜の重さを含まないので、同じ表示厚さ・めっき付着量なら同じ単位質量で計算します。実物は塗膜の分だけわずかに重くなります。
板厚が同じなら、トタン(亜鉛めっき鋼板)と重さは同じですか?
原板の7.85 × 表示厚さは同じ考え方ですが、足すめっき量定数はめっきの種類と付着量で変わります。亜鉛めっき鋼板は JIS G 3302 の値で計算してください。
段取りの前に確かめること
- 板厚は、めっき前の表示厚さで見たか
- めっき付着量はAZ150か(違えば、足す定数が変わります)
- コイルは「単位質量 × 幅 × 長さ」、役物は「単位質量 × 展開幅 × 長さ × 本数」で出したか
計算で出るのは規格の計算方法による値です。板厚の許容差や塗膜の分、実物とは少し違うことがあります。正確な重さが要るときは、メーカーやお店の資料で確かめてください。