目次
- 内装工事の見積書の内訳は「数量・原価㎡単価・提出単価」の3段で作る
- この記事で使う6帖の例の数字
- 見積書に書く数字と、手元に残す数字を分ける
- 石膏ボードの単価を㎡単価にする計算
- 1枚の単価を㎡単価に換える
- ロスを入れた実質の㎡単価を出す
- ビス・パテなど副資材と手間を足して原価㎡単価にする
- 軽天の見積りは本数で原価を出し、㎡単価で書く
- 部材の本数を合計して㎡単価に割り戻す
- 天井下地と壁下地で行を分ける
- 開口補強・下がり壁は別行にする
- クロスの見積りは㎡かmかを決めてから単価を組む
- ㎡で出すときとmで出すときの単価の違い
- グレードと部位で行を分ける
- 既存はがし・下地処理は別行にする
- 材工共・材工分離と粗利・諸経費の載せ方
- 材工共と材工分離のどちらで出すか
- 粗利率と掛け率を取り違えない
- 諸経費・運搬費・端材処分費の書き方
- 6帖の内装工事の見積書の内訳 記入例
- 明細の並べ方
- 提出前に見る5か所
- 単価を毎回Excelで組み直さないための持ち方(SITE BOARD)
- 石膏ボードを枚と㎡の両方で登録する
- 現場の呼び方を項目名に入れて見積り・積算で呼び出す
- 仕入単価が上がったときの直し方と注意
- 次の見積りから試す3つのこと
現場から戻って、石膏ボードの枚数も軽天の本数も拾い終えた。ところが単価を組むところで手が止まり、提出が翌々日になっていませんか。内装工事の見積書の内訳は、拾った数字を単価に直す順番が決まっていないと、毎回Excelの前で迷います。この記事では6帖1室の例を使い、枚数や本数を㎡単価に直す計算、行の分け方、粗利と諸経費の載せ方を1件の明細にまとめます。
内装工事の見積書の内訳は「数量・原価㎡単価・提出単価」の3段で作る
見積書づくりで迷う原因の多くは、計算の順番が毎回違うことにあります。おすすめは、次の3段で進める方法です。
- 拾い出しを枚数・本数・mで出す
- 出した数を原価の㎡単価に直す
- 粗利を乗せた提出単価を見積書に書く
この順番を固定すると、部屋の形や仕様が変わっても同じ手順で進められます。
| 段 | 出す数字 | 単位 | 使い道 |
|---|---|---|---|
| 1 数量 | ボード枚数・スタッド本数・クロスのm数 | 枚・本・m | 手配と原価計算(手元に残す) |
| 2 原価㎡単価 | 材料+副資材+手間 | 円/㎡ | 自社の原価管理(手元に残す) |
| 3 提出単価 | 原価÷(1−粗利率) | 円/㎡ | 見積書に書く |
見積書の明細に載せるのは「品名・数量・単位・単価・金額」の5つです。ボードの枚数やスタッドの本数は、原価を出すための数字です。お客様向けの明細は、施工面積の㎡で出す場合が多くなります。「枚数を数える作業」と「見積書の数量を書く作業」は別の作業だと考えると、手が止まりにくくなります。

この記事で使う6帖の例の数字
例は、6帖の洋室1室の壁と天井を下地から作り直す工事です。
- 部屋の寸法:2,730×3,640mm、天井高2,400mm
- 周長:2×(2.73+3.64)=2×6.37=12.74m
- 壁の総面積:12.74×2.4=30.576㎡
- 開口:ドア0.8×2.0=1.6㎡、窓1.6×1.1=1.76㎡、合計3.36㎡
- 壁の施工面積:30.576−3.36=27.216㎡ → 27.2㎡
- 天井の施工面積:2.73×3.64=9.9372㎡ → 9.9㎡
仕様は、壁が軽天下地に石膏ボード12.5mm、天井が軽天下地に石膏ボード9.5mmです。仕上げはどちらもクロスとします。以降の節は、すべて壁27.2㎡・天井9.9㎡で計算します。
記事に出てくる単価は、計算の手順を見せるために置いた数字です。相場ではありません。仕入単価や手間は地域・仕入先・職人の体制で変わるので、自社の数字に置き換えて使ってください。

見積書に書く数字と、手元に残す数字を分ける
見積書に書くのは、施工面積(㎡)と提出単価です。手元に残すのは、次のような原価を出すための数字です。
- 石膏ボードの手配枚数(ロス込み)
- スタッド・ランナーの本数
- クロスのm数
- ロス込みの材料原価
ボードを「18枚」と枚数のまま見積書に書くと、施工面積との差を説明しなければなりません。「27.2㎡なら17枚で足りるのでは」と聞かれ、端材の分を値引きの材料にされることもあります。㎡で出しておけば、ロスは自社の単価の中で吸収する形になり、説明がぶれません。
もう一つ知っておきたいのが、改正建設業法の動きです。見積書に材料費・労務費などの内訳を示すよう努めることが求められるようになりました(努力義務)。手元に原価の内訳を残しておけば、提出先から内訳を求められても組み直さずに済みます。対象となる工事や施行時期などの細部は、国土交通省の公式情報で確認してください。
石膏ボードの単価を㎡単価にする計算
石膏ボードは「枚」で仕入れますが、見積書は「㎡」で出します。そのため、仕入単価を1枚の面積で割る換算が必ず入ります。
910×1820mm(3×6)のボードは、1枚0.91×1.82=1.6562㎡です。この1.6562を、単価換算の基準の数字として覚えておくと便利です。
厚み(9.5mm・12.5mm)や種類(強化・耐水など)によって単価は違います。見積書の行も、厚みと種類ごとに分けて書きます。
1枚の単価を㎡単価に換える
12.5mm 3×6の仕入単価を1枚800円とします。
- ㎡単価:800÷1.6562=483.03円/㎡
- 検算:1.6562×483.03=799.99…≒800円
9.5mmも同じ式で出します。仕入単価を1枚650円とすると、650÷1.6562=392.46円/㎡です(検算 1.6562×392.46≒650円)。
この483.03円は、ロスを含まない理論上の単価です。見積りにそのまま使うと、端材の分だけ原価割れします。
もう一つの手間は、仕入単価が変わるたびに割り算をやり直すことです。Excelで管理していると、値上げの通知が来るたびにセルの式を探して直すことになります。直し忘れたシートを使うと、古い単価のまま見積書が出てしまいます。
ロスを入れた実質の㎡単価を出す
壁27.2㎡を1枚の面積で割ると、27.2÷1.6562=16.42枚です。開口まわりの切り欠きで端材が出るため、例では18枚を手配します。
- 材料原価:18枚×800円=14,400円
- 実質の材料㎡単価:14,400÷27.2=529.41円/㎡
- 検算:27.2×529.41=14,399.95≒14,400円
理論上の483.03円と比べると、1㎡あたり約46円の差があります。この差がロスの分です。
天井は9.9÷1.6562=5.98枚です。割付と天井の形を見て、7枚を手配します。
- 材料原価:7枚×650円=4,550円
- 実質の材料㎡単価:4,550÷9.9=459.60円/㎡
何枚足すかは、割付や現場によって異なります。開口の多い部屋や柱型のある部屋では、端材が増えます。自社の実績で、壁と天井それぞれの足し方を決めておくと迷いません。
ロスは、単価に%で上乗せするより、数量(手配枚数)で足す方がおすすめです。工事が終わったあとに「18枚手配して何枚余ったか」を見れば、次の見積りで足す枚数を直せます。単価に混ぜてしまうと、ロスが多かったのか単価が安かったのか、あとで区別がつきません。
ビス・パテなど副資材と手間を足して原価㎡単価にする
材料の㎡単価に、副資材と手間を足すと原価㎡単価になります。
例:材料529円+ビス等の副資材71円+手間600円=原価1,200円/㎡(壁・12.5mm1枚張り)
副資材は「1箱100本入」のような単位で仕入れます。そのため、1本あたり、さらに1㎡あたりに直してから足します。たとえばビス1箱100本入が600円なら、1本6円です。1㎡に10本使うと置けば6円×10本=60円になります。ほかの副資材を11円と置くと、合計71円です。
| 部位・仕様 | 材料+副資材 | 手間 | 原価㎡単価 |
|---|---|---|---|
| 壁 PB12.5 一重張り | 529+71=600円 | 600円 | 1,200円 |
| 天井 PB9.5 一重張り | 460+90=550円 | 800円 | 1,350円 |
天井は上向きの作業になるため、手間を壁より高く置いています。二重張りにすると、材料も手間も変わります。壁と天井、一重と二重で、原価㎡単価を別々に持っておいてください。1つの単価で済ませると、天井の多い現場ほど利益が削られます。
軽天の見積りは本数で原価を出し、㎡単価で書く
軽天(LGS)は、スタッド・ランナー・振れ止め・スペーサーの本数で拾います。一方、見積書は施工面積の㎡で出す場合が多くなります。
本数の数え方は拾い出しの段階の話です。
軽天(LGS)の拾い出し|スタッドの本数の数え方
軽天(LGS)の拾い出しで、スタッド・ランナー・振れ止め・スペーサーの本数を部屋の寸法から数える方法をまとめました。ピッチ303と455の使い分け、角で二重に数えない考え方、振れ止めの段数の決まりまで説明します。
記事を読む
この節では、拾った本数を原価の合計に直し、㎡単価にする流れだけを扱います。
壁と天井は、部材も手間も違います。同じ㎡単価にまとめないことが、軽天の見積りで原価割れを防ぐいちばんの近道です。
部材の本数を合計して㎡単価に割り戻す
部材ごとに「本数×1本の仕入単価」を出し、合計します。例の壁では次のとおりです(単価は例です)。
- スタッド 65形:42本×210円=8,820円
- ランナー 65形(4m物):8本×180円=1,440円
- 振れ止め・スペーサーなど:620円
- 合計:8,820+1,440+620=10,880円
これを壁の施工面積で割ります。10,880÷27.2=400円/㎡です(検算 27.2×400=10,880円)。
ランナーやチャンネルを長さ(m)で拾ったときは、いったんm単価を出してから本数に戻します。ランナーは上下で12.74×2=25.48mです。4m物が1本180円なら、m単価は180÷4=45円/mになります。25.48÷4=6.37本なので7本、継ぎや切り落としを見て8本を手配しました。
この割り戻しを部屋ごとにやると、時間がかかります。よく使う壁の仕様(65形・@303・PB一重など)の㎡単価を一度作って、使い回してください。例の壁なら、材料400円+副資材50円+手間1,050円=原価1,500円/㎡です。
天井下地と壁下地で行を分ける
天井には、野縁・野縁受け・吊りボルト・ハンガーが入ります。壁より部材の点数が多く、手間も上向き作業になります。例では、天井の軽天を材料700円+副資材100円+手間1,300円=原価2,100円/㎡と置きました。壁の1,500円とは600円の差があります。
見積書は、次のように部位で行を分けます。
- 天井 軽天下地 9.9㎡
- 壁 軽天下地 27.2㎡
部位で分けておくと、「天井だけ既存を残す」といった変更があっても、その行だけ消せば済みます。
スタッドの規格(45形・65形など)や間隔が変わると、原価が変わります。行の品名には「壁 軽天下地 65形 @303」のように規格を書いておいてください。あとで単価を見直すとき、どの仕様の単価か分からなくなるのを防げます。
開口補強・下がり壁は別行にする
ドアや窓の開口補強は、面積に比例しません。開口が多い部屋ほど手間が増えるので、「開口補強 2か所」のように、か所数で別行にします。例では1か所あたり原価3,000円と置きました。
下がり壁や、ふところの深い天井も手間が増えます。通常の㎡単価に混ぜると原価割れしやすい部分です。
量が少ない場合は「1式」でもかまいません。その場合も、備考に「ドア1・窓1」のように内容を書いておきます。工事中に開口が増えたとき、追加工事の根拠になります。
クロスの見積りは㎡かmかを決めてから単価を組む
クロスは巾92cm前後のロールで、仕入はm単位です。見積書は㎡で出す会社とmで出す会社があり、会社の状況によって異なります。
どちらで出すかで、数量の数え方が変わります。社内で一つに決めておかないと、担当者や見積りごとに数字がぶれます。例の部屋で比べると次のようになります。
- ㎡で出す場合:壁27.2㎡+天井9.9㎡=37.1㎡
- mで出す場合:
- 壁:周長12.74m÷0.92m=13.85 → 14巾。1巾の長さ2.4m+0.1m=2.5m。14巾×2.5m=35m
- 天井:2.73m÷0.92m=2.97 → 3巾。1巾の長さ3.64m+0.1m=3.74m。3巾×3.74m=11.22m
- 合計:35+11.22=46.22m → 47m
㎡で出すときとmで出すときの単価の違い
mの数量は、開口部を引かず、柄合わせや天地の余りも含みます。そのため、同じ部屋でも㎡より数量が多くなります。
例として、量産品の材料単価を300円/mと置きます。
- 材料原価:47m×300円=14,100円
- ロス込みの材料㎡単価:14,100÷37.1=380.05円/㎡
- 原価㎡単価:材料380円+糊などの副資材40円+手間480円=900円/㎡
- 提出単価(粗利率25%):900÷(1−0.25)=1,200円/㎡
同じ金額をm単価で表すと、提出は1,200×37.1=44,520円、44,520÷47=947.23円/mです。m出しの単価は、㎡出しより低く見えます。
お客様が他社の見積りと単価だけを比べると、「こちらの方が高い」と誤解されることがあります。明細の単位をはっきり書き、必要なら備考に「数量は開口を除いた施工面積」と添えてください。
㎡で出す場合は、ロス分(47mと37.1㎡の差)を単価側に含める必要があります。上の380.05円は、47m分の材料費を37.1㎡で割っているので、ロスが含まれた数字です。
グレードと部位で行を分ける
量産品と1000番台では、材料単価が違います。「壁 クロス 量産品」「アクセント面 クロス 1000番台」のように行を分けます。アクセント面を1面だけ変える場合も、面積を出して別行にしておくと、お客様が品番を変えたときに差額をすぐ出せます。
天井は手間がかかるため、壁と天井で㎡単価を分ける会社も多くあります。この記事の例では、記入例を読みやすくするため、壁と天井を1行にまとめています。
品番が決まっていない段階では、品名を「量産品相当」と書きます。備考に「品番決定後、差額を別途ご案内します」と入れておくと、あとで1000番台に変わっても話がこじれにくくなります。
既存はがし・下地処理は別行にする
リフォームのクロス貼り替えでは、既存クロスのはがしと、パテ・下地調整の手間がかかります。新築の㎡単価に含めると足りなくなります。
貼り替えの場合は、次のように分けます。
- 既存クロス撤去 37.1㎡
- 下地調整 1式
はがしてみて下地の傷みが大きかったとき、「下地調整」の行があれば追加の説明がしやすくなります。
撤去したクロスの処分費は、後の節の産廃処分の行にまとめます。なお、この記事の記入例は下地から作り直す工事なので、撤去は「既存内装撤去(クロス・ボード・下地)」の1行にしています。
材工共・材工分離と粗利・諸経費の載せ方
原価㎡単価ができたら、見積書に出す形を決めます。決めるのは次の2つです。
- 材工共で出すか、材工分離で出すか
- 粗利と諸経費をどこに乗せるか
おすすめは、粗利は単価に乗せ、諸経費・運搬・処分は別行にする方法です。値引きを求められたときに、どこを削れるか判断しやすくなります。
法定福利費は、内訳に明示することが求められる流れにあります。計算方法は法定福利費の計算方法をまとめたコラムで確認できます。
材工共と材工分離のどちらで出すか
| 出し方 | 明細の例 | 向いている提出先 |
|---|---|---|
| 材工共 | 壁 PB12.5張り 27.2㎡ 1,600円 | リフォームの施主(読みやすさ重視) |
| 材工分離 | 石膏ボード12.5 27.2㎡ 800円/壁 PB張り施工費 27.2㎡ 800円 | 元請・設計事務所、材料支給の現場 |
材工分離は、元請や設計事務所から求められる場合が多い出し方です。材料支給にも対応しやすくなります。
どちらで出しても、原価の組み方(材料+副資材+手間)は同じです。壁PB12.5なら、材料と副資材の原価600円を800円に、手間600円を800円にします。どちらも粗利率25%で、合計すると1,600円になり、材工共の単価と一致します。出し方だけを提出先に合わせて変えてください。
粗利率と掛け率を取り違えない
原価1,200円/㎡で粗利率25%にしたいなら、提出単価は次のとおりです。
- 1,200÷(1−0.25)=1,600円
- 検算:1−1,200÷1,600=1−0.75=0.25(25%)
よくあるのが、1,200×1.25=1,500円とする取り違えです。この場合、粗利率は1−1,200÷1,500=20%にしかなりません。1㎡あたり100円の差でも、壁27.2㎡では2,720円になります。
壁の金額は27.2㎡×1,600円=43,520円です。粗利率は会社ごとに決めるものです。決めた粗利率を、毎回同じ式で当ててください。
諸経費・運搬費・端材処分費の書き方
諸経費は、工事費小計×○%で出す会社が多い項目です。率は会社の状況によって異なります。現場管理の人件費や車両費など、何をまかなう費用かを社内で決めておくと、聞かれたときに根拠を説明できます。
忘れやすい別行は次の3つです。
- 産業廃棄物処分費 1式:石膏ボードの端材や、はがしたクロス・撤去した下地の処分
- 運搬費 1式:資材の搬入・運搬
- 養生費 1式:リフォームの共用部・床の養生
エレベーターの無い建物や、駐車場から遠い現場では、搬入の手間が増えます。備考に「3階・階段搬入」のように書いておくと、運搬費が高い理由を説明できます。
6帖の内装工事の見積書の内訳 記入例
ここまでの壁27.2㎡・天井9.9㎡・クロス37.1㎡の数字を、そのまま1枚の見積書の明細に並べます。単価は計算の例として置いた数字で、地域や仕入先によって変わります。提出単価は、各節の原価に粗利率25%を当てて出しています。
| 品名 | 数量 | 単位 | 単価(円) |
|---|---|---|---|
| 壁 軽天下地 65形 @303 | 27.2 | ㎡ | 2,000 |
| 天井 軽天下地 | 9.9 | ㎡ | 2,800 |
| 開口補強(ドア1・窓1) | 2 | か所 | 4,000 |
| 壁 PB12.5張り | 27.2 | ㎡ | 1,600 |
| 天井 PB9.5張り | 9.9 | ㎡ | 1,800 |
| クロス 量産品相当(壁・天井) | 37.1 | ㎡ | 1,200 |
| 既存内装撤去(クロス・ボード・下地) | 37.1 | ㎡ | 800 |
| 産業廃棄物処分費 | 1 | 式 | 15,000 |
| 運搬費 | 1 | 式 | 8,000 |
| 養生費(床・共用部) | 1 | 式 | 10,000 |
| 諸経費(工事費小計の10%) | 1 | 式 | 25,866 |
各行の金額は、数量×単価で検算しています。
- 壁 軽天下地:27.2×2,000=54,400円(原価1,500円÷0.75)
- 天井 軽天下地:9.9×2,800=27,720円(原価2,100円÷0.75)
- 開口補強:2×4,000=8,000円(原価3,000円÷0.75)
- 壁 PB12.5:27.2×1,600=43,520円
- 天井 PB9.5:9.9×1,800=17,820円(原価1,350円÷0.75)
- クロス:37.1×1,200=44,520円
- 既存内装撤去:37.1×800=29,680円(原価600円÷0.75)
- 処分・運搬・養生:15,000+8,000+10,000=33,000円
工事費小計は258,660円です。諸経費は258,660×10%=25,866円で、合計は284,526円(税抜)になります。諸経費の率10%も例です。法定福利費を別行で示す場合は、諸経費の前に入れます。
明細の並べ方
並び順は施工順にします。軽天下地→ボード→クロスと並べ、そのあとに撤去・処分・運搬・養生、最後に諸経費を置きます。施主に説明するとき、上から順に工事の流れを話せます。
並べ終わったら、各行の数量が拾い出しの面積と一致しているかを確かめます。特に見落としやすいのは次の2点です。
- 壁が、開口を引いた27.2㎡になっているか(引く前の30.576㎡のままになっていないか)
- 軽天・ボード・クロスで、同じ部位の数量がそろっているか
開口補強はか所で、処分・運搬・養生は1式で書きます。1式の行には、備考に内容を一言入れてください。「1式」だけでは、何が含まれているか施主にも自分にも分からなくなります。
提出前に見る5か所
- 数量:壁と天井の面積が、部屋の寸法から出した数字と合っているか(27.2㎡・9.9㎡)
- 単価:仕入単価が最新か。値上がり前の単価のまま出していないか
- 粗利:掛け率ではなく、粗利率の式(原価÷(1−粗利率))で出しているか
- 別行:撤去・処分・養生・運搬が抜けていないか
- 単位:クロスを㎡とmのどちらで出したか。表と備考で食い違っていないか
5か所だけなら、提出前の数分で確かめられます。特に2の単価は、Excelで単価表を持っていると見落としやすい部分です。次の節で、単価の持ち方を変える方法を紹介します。
単価を毎回Excelで組み直さないための持ち方(SITE BOARD)
夜に見積りを作るたび、ボードの枚単価を1.6562で割り直していませんか。ビスの箱単価も、本数で割り直す必要があります。この割り直しが、見積りの時間を少しずつ取っています。
サイトボード(SITE BOARD)の資材費マスタには、仕入単価・提出単価と、単位を換えた単価を一度登録できます。登録した資材は、積算・見積りの明細で呼び出して使い回せます。
マスタが持つのは材料の単価です。ロスは単位を換えた単価には入れず、積算・見積りの数量で足します。この記事で「ロスは数量で足す」とした考え方と同じです。
石膏ボードを枚と㎡の両方で登録する
- サイドバー「マスタ」>「資材費」を開き、一覧右上の「+ 新規登録」を押します。
- 資材名に「石膏ボード 12.5mm 3×6」、単位に「枚」、仕入単価に800円を入れます。
- 「単位を換えた単価」の「+ 単位を足す」を押し、単位に「㎡」を選びます。右の欄に1枚の大きさ1.6562を入れます。
- 「登録する」を押すと、一覧に戻り「保存しました。」と表示されます。

上の画面が新規登録画面です。手順3で右の欄に1.6562を入れると、左の数が自動で計算されます。㎡の仕入単価483.03円も自動で出るので、電卓で割る必要はありません。ロスは入れないでください。
9.5mmは、一覧の「複製」で12.5mmの内容を写します。資材名を「石膏ボード 9.5mm 3×6」、仕入単価を650円に書き換えて登録します。同じ資材名は登録できないので、名前は必ず変えてください。
ビスのように箱で仕入れる資材は、単位を換えた単価で単位「本」を足します。そのうえで「1箱 = 100本」となるように入れます。
仕入単価と提出単価を両方入れると、一覧に粗利率が表示されます。計算は(1−仕入単価÷提出単価)×100です。材料として出す提出単価を1枚1,000円にすると、(1−800÷1,000)×100=20%と出ます。㎡の提出単価は1,000÷1.6562=603.79円です。

現場の呼び方を項目名に入れて見積り・積算で呼び出す
仕入先の品名と、見積りでふだん使う呼び方(例:PB12.5)が違うこともあります。そのときは、編集画面の「項目名」に呼び方を1行ずつ書いておきます。
見積りや積算の明細で名称や項目名を入力すると、「資材」のタグ付きで候補に出ます。項目名で選んだときは、品名は項目名のまま入ります。選んだときに入る値は、画面によって違います。
| 画面 | 単価に入る値 | あわせて入る値 |
|---|---|---|
| 見積り | 提出単価 | 単位、資材費(原価)に仕入単価 |
| 積算 | 仕入単価(原価) | 単位、費目「材料費」 |
㎡と枚は、単位ごとに別の候補として出ます。見積書を㎡で出すなら㎡の候補を、手配枚数で原価を見るなら枚の候補を選びます。手間は材料の単価に含まれていないので、明細で別に入れてください。
拾い出しから見積りまでの流れは、次の記事で確認できます。
積算から見積りを作成する手順|案件登録で拾い出しの二度手間をなくす
拾い出しはエクセル、見積書は別ソフトで二度手間になっていませんか。SITE BOARD(サイトボード)で案件を登録し、積算から見積りを作成して見積書のPDFを出すまでの操作を、画面の順番どおりに説明します。資材費マスタの使い方も。
記事を読む
仕入単価が上がったときの直し方と注意
仕入単価が800円から850円に上がったとします。編集画面で仕入単価を書き換え、「更新する」を押します。すると「仕入先別の単価履歴」に1件増えます。㎡の単価も850÷1.6562=513.22円に変わります。換えた単価は保存されず、毎回計算されるためです。

上の画面はブロックの例ですが、項目名・単位を換えた単価・単価履歴の並びは石膏ボードでも同じです。
注意したいのは、作成済みの見積り・積算の単価です。選んだ時点の値のまま変わりません。値上がり前に出した見積りは、自分で見直してください。
C+AIプランでは、仕入先の請求書・納品書をAI読み取りで取り込めます。一覧右上の「AI読み取り」からPDFや写真を選ぶと、仕入単価をまとめて更新できます。読み取った結果は確認画面を通ってから登録され、AIポイントを使います。提出単価は取り込まれないので、編集画面で入れてください。

資材費マスタには、原価がそのまま表示されます。「設定」>「ユーザー管理」で「資材費」の権限を渡す相手は、原価を見せてよい人に限ってください。
次の見積りから試す3つのこと
全部を一度に変える必要はありません。次の見積りで、まず次の3つを試してください。
- 直近の内装見積り1件で、原価㎡単価を書き出す
- 石膏ボード・軽天・クロスについて、「材料+副資材+手間」の式で書きます
- 材料はロス込みの手配数量で出し、施工面積で割ります
- 壁と天井は分けて書きます
- 提出単価は、毎回「原価÷(1−粗利率)」で出す
- 原価1,200円で粗利率25%なら1,600円です
- 1,200×1.25=1,500円にしないよう、Excelの式もこの形に直しておきます
- 別行入りの見積書のひな形を1つ作る
- 撤去・処分・運搬・養生・諸経費を別行にしたひな形です
- 次の見積りからは、数量と単価を入れ替えるだけにします
この3つができると、拾い出しが終わった時点で見積書の形がほぼ見えます。夜にExcelの前で迷う時間が減り、翌朝に提出しやすくなります。
単価表をExcelで持ち続けるか、資材費マスタに移すかは、試してから判断すれば十分です。石膏ボード12.5mm・9.5mm、スタッド、量産クロスなど、使う頻度の高い資材を数点だけ登録してみてください。割り直しの手間がどれだけ減るかを確かめてから決められます。料金は料金プランで確認できます。実際に試すなら無料で使い始めるから登録できます。