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再下請負通知書の書き方と記入例|二次下請が差し戻されない埋め方

再下請負通知書の書き方を、二次下請の記入例で解説します。全建統一様式第1号-甲の宛先・元請名称・工期・契約日・許可・保険に誰の情報を入れるかを示し、差し戻されやすい箇所、提出前の確認、毎回書き直さない準備までまとめます。

再下請負通知書 書き方を表すイメージ図
目次

再下請負通知書の書き方が分からないまま、現場に入る前の晩に様式とにらめっこしたことはありませんか。一次の担当から「今日中に」と言われても、左右どちらに自社を書くのか、宛先は元請なのかで手が止まりがちです。この記事では、二次下請の立場の記入例を1つの現場で最後まで通して示します。そのとおりに埋めれば差し戻しが減り、次の現場からは変わる欄だけ直せば済むようになります。

再下請負通知書の書き方の結論|二次下請が埋めるのは「自社の欄」と「自社が出した下請の欄」

二次下請が書く再下請負通知書は、上・左・右の3つに分けて考えると迷いません。結論を先に表にまとめます。

場所 書く会社 この記事の例
上の宛先 自社に注文した会社(直近上位の注文者)と、その現場代理人 B工業と、B工業の現場代理人
上の元請名称 現場の元請 A建設
左「報告下請負業者」 自社 C内装
右「再下請負関係」 自社が注文した下請 D工業(三次)

自社は、通知書を一次のB工業へ渡します。B工業は自社の分と合わせて、元請のA建設へ届けます。A建設はこれを集めて、施工体制台帳や施工体系図をまとめます。再下請負通知書は、元請が「どの会社が、誰から、どんな契約で現場に入っているか」をつかむための書類です。そのため、台帳と食い違う書き方をすると差し戻されます。

迷いやすいのは「右側にも契約の日付や工期を書くのはなぜか」という点です。右側には、D工業の会社情報に加えて、自社とD工業が結んだ契約の中身を書きます。左は「自社がB工業から請けた契約」、右は「自社がD工業に出した契約」と覚えておくと、取り違えが起きにくくなります。

この記事の記入例は、最初から最後まで同じ現場・同じ日付で説明しています。そのとおりに埋めれば、一度で通る形になります。また、左側の自社情報の大半は、次の現場でもほとんど変わりません。変わる欄だけ直す形にしておけば、夜に1枚ずつ書き直す時間が減ります。

なお、通知が必要になる工事の範囲や細かい義務は、建設業法と国土交通省のガイドラインで決まっています。様式も、版によって欄が少しずつ違います。建設業法の条文はe-Gov法令検索の建設業法で読めます。ガイドラインや改正の情報は国土交通省のホームページで確認してください。使う様式の版は、元請や一次の指示に合わせてください。

記入例で使う現場の設定(この記事ではこの数字で統一)

例の現場は、元請から三次までの4社でできています。自社は二次下請のC内装で、軽量鉄骨下地とボード張りを請けています。C内装は、そのうちボード張りの一部を三次のD工業に出しています。

会社(立場) 担当 工期 注文者との契約日
A建設(元請) 工事全体 (この記事では使いません) (この記事では使いません)
B工業(一次) A建設から請けた工事 令和7年10月1日〜令和8年1月31日 (この記事では使いません)
C内装(自社・二次) 軽量鉄骨下地・ボード張り 令和7年10月15日〜12月20日 令和7年10月1日(B工業と)
D工業(三次) ボード張りの一部 令和7年11月1日〜12月10日 令和7年10月20日(C内装と)

この数字で、日付の整合を先に検算しておきます。

  • 自社の工期は一次の工期の内側か:開始の10月15日は一次の開始10月1日より後です。終わりの12月20日は、一次の終わり1月31日より前です。収まっています
  • 三次の工期は自社の工期の内側か:開始の11月1日は10月15日より後です。終わりの12月10日は12月20日より前です。こちらも収まっています
  • 自社の契約日は工期開始より前か:10月1日は10月15日の14日前です
  • 三次の契約日は三次の工期開始より前か:10月20日は11月1日の12日前です

以降の節は、すべてこの日付で説明します。

二次以下の下請が迷いやすい「誰が誰に出すか」

この現場では、通知書が少なくとも2枚できます。1枚目はB工業が出す通知書です。左がB工業、右がC内装(自社)、宛先はA建設になります。2枚目は自社が出す通知書です。左がC内装、右がD工業、宛先はB工業になります。

元請から三次までの4社が縦につながり、二次の通知書は一次へ、一次の通知書は元請へと1段ずつ上に渡る流れの図
元請から三次までの4社が縦につながり、二次の通知書は一次へ、一次の通知書は元請へと1段ずつ上に渡る流れの図

1枚目はB工業が書く紙ですが、右側には自社の会社情報・許可・保険・責任者が入ります。そのため「通知書に書くから会社の情報を送って」と、B工業から頼まれることがよくあります。頼まれる情報と、自社が出す通知書の左側は中身が同じです。片方を正しく作れば、もう片方にもそのまま使えます。

自社がどこにも再下請をしない場合は、扱いが変わります。通知書を出さなくてよいとする現場もあれば、右側を「再下請なし」として出すよう求める元請もあります。現場によって異なるので、一次に「うちは再下請なしですが、通知書は要りますか」と先に聞いてから作ってください。それだけで、作り直しを避けられます。

いちばん多い誤りは、宛先を元請のA建設にしてしまうことです。看板や朝礼で目にするのは元請の名前なので、つい書きたくなります。自社の通知書の宛先は、自社に注文したB工業と、B工業の現場代理人です。A建設の名前は、宛先の下にある「元請名称」の欄に書きます。

全建統一様式第1号-甲の全体像|A3横の左右と上の宛先

再下請負通知書は、全建統一様式の第1号-甲です。グリーンファイル(元請に出す安全書類一式)の中の1枚で、用紙はA3横です。上の段には宛先・元請名称・提出日が並びます。その下は、左半分が自社(報告下請負業者)、右半分が再下請負業者の欄です。再下請負通知書の書き方は、この「上・左・右」の役割をつかめば半分は終わったようなものです。

右側に書けるのは1社分だけです。三次が2社あるときは、会社ごとに1枚ずつ作るのが一般的です。その場合、左側には2枚とも同じ自社の内容を書きます。

様式は、元請や一次から配られた版を使ってください。版によって、事業者IDや退職金共済の欄があったり無かったりします。手元のファイルが古いと欄の並びが合わず、それだけで差し戻されることもあります。版の見分け方と入手先は、次の記事で詳しく説明しています。

全建統一様式 最新を表すイメージ図 関連記事書類・安全管理 全建統一様式の最新版はどれ?入手先と旧様式との違い・確認方法 元請から「最新の全建統一様式で出して」と言われて困っていませんか。いまの版の見分け方、全国建設業協会からの入手先、古い様式から増えた欄、作業員名簿の雇用保険欄の書き方まで整理し、差し戻しなく一度で出せるようにします。 記事を読む

左右の主な欄と、それぞれに書く内容を表にまとめます。

欄の名前 左の自社(C内装)に書くこと 右の三次(D工業)に書くこと
会社名・事業者ID・代表者名・住所・電話 自社の情報 D工業の情報
工事名称及び工事内容 元請の工事名称と、自社の担当工事 元請の工事名称と、D工業の担当工事
工期・注文者との契約日 B工業との契約の工期と契約日 自社とD工業の契約の工期と契約日
建設業の許可 自社の許可業種・番号・年月日 D工業の許可
現場代理人・主任技術者などの責任者 自社が現場に置く人 D工業が現場に置く人
健康保険等の加入状況 自社の加入状況と記号等 D工業の加入状況と記号等

上の欄|宛先・元請名称・事業者IDの書き方

宛先の欄には、直近上位の注文者の会社名と、その現場代理人(所長名)を書きます。例では「B工業 現場代理人 ○○ ○○ 殿」です。B工業の現場代理人の名前は、B工業の注文書や現場の連絡網で確認できます。分からなければ、B工業の担当に聞いてください。

元請名称にはA建設と書きます。その横の事業者IDは、建設キャリアアップシステムで会社ごとに付く番号のことです。元請の事業者IDは、自社では調べにくい情報です。元請から配られた資料を見るか、一次を通して聞いてください。自社の事業者IDや制度のしくみは、建設キャリアアップシステムの公式サイトで確認できます。

提出日は、通知書をB工業へ渡す日です。元請の締め日から逆算して決めます。仮に、元請が「下請の入場の1週間前までに書類をそろえる」と決めているとします。D工業の入場は11月1日なので、元請の締めは10月25日です。一次がまとめるのに2日かかるなら、自社は10月23日までに渡します。この日付は、D工業との契約日10月20日より後なので問題ありません。

D工業との契約前の日付を提出日に書くと、「まだ結んでいない契約を報告している」形になります。提出日は、右側の契約日より後の日付にしてください。

左右で同じ項目名が並ぶ理由

左右とも、会社名・代表者・住所・許可・責任者・保険と、ほぼ同じ並びになっています。元請は、左右の情報を会社ごとに施工体制台帳へ写します。項目がそろっていれば、元請はどの会社の分も同じ手順で写せます。

押さえておきたいのは、右側に書く工期・契約日・担当工事が、自社とD工業の契約の内容だという点です。B工業と自社の契約の数字を右に書いてしまう誤りは少なくありません。右側の工期は令和7年11月1日〜12月10日、契約日は令和7年10月20日です。

埋める順番は、左を先に完成させてから右に移るのが安全です。左の上から順に、会社名→工事名称→工期→契約日→許可→責任者→保険と埋めます。右も同じ順番で、D工業の情報に置き換えていきます。右の欄を左の欄と1行ずつ見比べながら埋めると、抜けた欄にすぐ気づけます。

記入例・左側|報告下請負業者(自社)の欄の書き方

左側にC内装の値を入れた記入例です。氏名や番号は「○」で伏せています。

欄 C内装の記入例 確認する書類
会社名・代表者名 株式会社C内装 代表取締役 ○○ ○○ 許可通知書・登記の写し
工事名称及び工事内容 (A建設の工事名称)/軽量鉄骨下地・ボード張り工事 B工業からの注文書
工期 令和7年10月15日〜令和7年12月20日 注文書・注文請書
注文者との契約日 令和7年10月1日 注文請書
建設業の許可 内装仕上工事 ○○知事 許可(般-○)第○○○○号 許可通知書
現場代理人名 ○○ ○○(権限:契約書記載のとおり) 社内の配置表
主任技術者名 ○○ ○○(専任・非専任のどちらかに◯) 契約金額
資格内容 内装仕上工事の実務経験10年 経歴の控え
健康保険等の加入状況 3つとも「加入」と事業所整理記号等 保険の通知書類
外国人の従事の状況 無 社内の名簿

この表のうち、現場が変わっても変わらない欄と、毎回変わる欄があります。会社名・代表者・住所・許可・保険は、許可の更新や保険の手続きが無いかぎり同じです。毎回変わるのは、工事名称・工期・注文者との契約日・責任者の4つだけです。この4つを「現場ごとの欄」として分けておくと、次の現場では4か所を直すだけで済みます。

左側を正しく書けば、B工業が出す通知書の右側(自社の欄)にもそのまま使えます。B工業から情報を求められたら、この左側の内容を渡せば足ります。

会社名・工事名称・工期・注文者との契約日

会社名と代表者名は、登記や許可通知書と同じ表記にします。「株式会社」を前に付けるか後ろに付けるか、旧字体かどうかといった違いがあると、元請の台帳と照らし合わせたときに別の会社に見えます。省略形の「(株)」も、元請によっては直すよう言われます。

工事名称には、元請A建設が付けた工事名称をそのまま書きます。工事内容には、自社が担当する工事として「軽量鉄骨下地・ボード張り工事」と書きます。自社で呼んでいる現場名を工事名称に書くと、元請は台帳のどの工事か判断できません。

工期は令和7年10月15日〜令和7年12月20日です。B工業の工期(令和7年10月1日〜令和8年1月31日)の内側に収まっているかを、書いたあとに見てください。

注文者との契約日は、B工業と契約した令和7年10月1日です。注文書と注文請書の日付と合わせます。注文書の日付と請書の日付がずれているときは、どちらで書くかをB工業に確かめてください。

建設業の許可の欄|業種・番号・許可年月日

許可の欄には、許可業種・大臣か知事か・一般か特定か・許可番号・許可年月日を書きます。記憶で書かず、許可通知書の写しを横に置いて1文字ずつ書き写してください。

書き写したら、担当工事の業種と許可業種が合っているかを見ます。例のC内装は、軽量鉄骨下地とボード張りなので内装仕上工事です。許可業種に別の業種しか書いていないと、元請から理由を聞かれます。

様式には、許可を2つまで書ける欄があります。許可を3つ以上持っている会社は、その現場の担当工事に関係する業種を優先して書いてください。

許可を持たずに請け負える範囲の工事だけを請けている場合、許可の欄をどう書くかは元請によって指示が違います。「許可なし」と書く現場もあれば、別の書き方を求める現場もあります。会社の状況によって異なるので、空欄で出す前に元請へ確認してください。

責任者の欄|現場代理人・主任技術者・安全衛生責任者・雇用管理責任者

現場代理人の欄には、氏名と「権限及び意見申出方法」を書きます。権限及び意見申出方法は、ふつう「契約書記載のとおり」と書きます。

主任技術者の欄では、専任・非専任のどちらかに◯を付けます。この◯の付け忘れは、差し戻しでよく見かけます。資格内容には、資格名か実務経験を書きます。資格が無ければ「内装仕上工事の実務経験10年」のように書きます。専任が必要になる請負金額の基準は改正されることがあるため、国土交通省の公式情報で今の基準を確認してください。

安全衛生責任者・安全衛生推進者・雇用管理責任者・登録基幹技能者の欄には、実際に置いている人を書きます。小さな会社では、職長が安全衛生責任者を兼ねる場合が多いです。置いていない欄を空欄のまま出すと、書き忘れと区別がつきません。「なし」や「−」と書くかどうかは、元請の指示に合わせてください。

健康保険等の加入状況と外国人の従事の欄

健康保険・厚生年金保険・雇用保険のそれぞれについて、加入・未加入・適用除外のどれかを選びます。加入していれば、事業所整理記号等も書きます。番号は、手元の保険の通知書類から書き写してください。

適用除外を選ぶときは、理由を聞かれても答えられるようにしておきます。たとえば、個人事業で従業員が少なく、厚生年金の適用事業所に当たらない場合などです。判断に迷うときは、年金事務所などで確認してください。適用事業所の考え方は日本年金機構のホームページにも載っています。

外国人の従事の状況は、有・無のどちらかを必ず選びます。外国人がいないときに空欄で出す会社が多く、それが差し戻しの原因になります。様式の版によって区分の数が違うので、並んでいる欄すべてに有・無を付けてください。

使っている様式に退職金共済(建退共など)の欄があれば、加入している制度を書きます。

記入例・右側|再下請負業者(三次)の欄の書き方

右側にD工業の値を入れた記入例です。左側と同じく、氏名や番号は「○」で伏せています。

欄 D工業の記入例 集める先
会社名・代表者名 D工業 代表者 ○○ ○○ D工業
工事名称及び工事内容 (A建設の工事名称)/ボード張り工事のうち○階部分 自社がD工業に出した注文書
工期 令和7年11月1日〜令和7年12月10日 同上
注文者との契約日 令和7年10月20日 D工業からの注文請書
建設業の許可 内装仕上工事 許可番号・許可年月日 D工業の許可通知書の写し
現場代理人・主任技術者 ○○ ○○/資格内容 D工業
健康保険等の加入状況 加入状況と事業所整理記号等 D工業
外国人の従事の状況 有・無のどちらか D工業

右側は、自社とD工業が結んだ契約の内容を書く欄です。B工業と自社の契約の内容ではありません。工期や契約日を左から写してしまうと、元請の台帳でD工業の工期が実際とずれます。

右側のうち、自社が分かるのは工事名称・工期・契約日・担当工事くらいです。それ以外の会社情報・許可・保険・責任者は、D工業に聞かないと分かりません。提出前日に聞いても、相手も現場に出ていて返事がもらえないことがあります。D工業に出すことが決まった時点で、必要な情報をまとめて頼んでおくと、提出日に慌てずに済みます。

三次下請から集める情報のリスト

D工業に頼むときは、次のリストをそのまま送ると抜けが出にくくなります。

  • 会社名・代表者名・住所・電話番号・事業者ID
  • 建設業の許可通知書の写し(業種・番号・許可年月日が読めるもの)
  • 現場代理人・主任技術者の氏名と、主任技術者の資格内容
  • 安全衛生責任者・雇用管理責任者の氏名
  • 健康保険・厚生年金保険・雇用保険の加入状況と事業所整理記号等
  • 外国人の従事の有無

集めた情報は、現場ごとではなく会社ごとに保管します。次にD工業へ出す現場では、全部を聞き直す必要はありません。「前回から変わったことはありますか」と、責任者と許可・保険の更新の有無だけを確かめれば足ります。

工期と契約日の整合を検算する

右側を書き終えたら、日付を検算します。見るのは次の4点です。

  1. 三次の工期の開始11月1日が、自社の工期の開始10月15日より後か。後なので問題ありません
  2. 三次の工期の終わり12月10日が、自社の工期の終わり12月20日より前か。前なので問題ありません
  3. 契約日10月20日が、三次の工期開始11月1日より前か。前なので問題ありません
  4. 担当工事内容が、自社の担当工事の一部になっているか

4つ目は日付ではありませんが、同じタイミングで見ておきます。D工業の担当を「ボード張り工事」とだけ書くと、自社の担当と区別がつきません。「ボード張り工事のうち○階部分」のように、自社の工事のどこを出したのかが分かる書き方にします。

日付の書き方は、様式全体でそろえます。左が和暦で右が西暦のように混ざっていると、それだけで直すよう言われることがあります。

再下請が2社以上のとき・自社が再下請しないとき

三次が2社ある場合は、右側を2枚に分けます。左側の自社の欄は、2枚とも同じ内容を書きます。1枚目を仕上げてから複製し、右側だけを書き換えると、左側の書き間違いが起きません。

D工業がさらに四次へ出す場合は、D工業に「自社(C内装)あての通知書」を出してもらいます。この場合、D工業の通知書の宛先はC内装、左がD工業、右が四次の会社です。受け取った通知書は、自社の通知書と一緒にB工業へ渡す流れが多いです。

自社が再下請をしない場合は、前の節で書いたとおりです。提出の有無と、右側を空けるのか「再下請なし」と書くのかを、元請・一次の指示で確認してから出してください。

元請から差し戻されやすい箇所と直し方

差し戻しの理由になりやすい箇所を表にまとめます。

よくある誤り 正しい書き方 確認する書類
宛先が元請A建設 宛先はB工業とその現場代理人 B工業からの注文書
自社の工期が一次の工期をはみ出す 令和7年10月15日〜12月20日 注文書・注文請書
契約日が空欄か、工期開始より後 自社は10月1日、三次は10月20日 注文請書
許可年月日が更新前のまま 最新の許可通知書の日付 許可通知書
専任・非専任の◯が無い どちらかに◯ 契約金額
外国人の従事の有無が空欄 有・無のどちらかを選ぶ 社内の名簿

差し戻しの多くは、再下請負通知書の書き方が分からないことより、前の現場の内容が残っていることで起きます。前の通知書を複製して作ると、工期や責任者の名前を直し忘れやすくなります。会社情報も、許可の更新前の内容が残りがちです。

差し戻しが来たら、指摘された欄だけを直して終わりにしないでください。同じ情報は、作業員名簿や下請負業者編成表にも書いています。通知書の許可年月日が古ければ、編成表の許可も古いはずです。同じ情報を使う書類を並べて、まとめて直してください。

日付と工期のずれ

日付の誤りは、次の4つに分かれます。

  • 工期が上位の工期をはみ出している
  • 契約日が空欄か、工期の開始より後になっている
  • 前の現場の工期や提出日を消し忘れている
  • 注文書・注文請書の日付と、通知書の日付が合っていない

上の2つは、前の節の検算で防げます。3つ目は、日付の欄を一度すべて消してから書き直すと防げます。通知書の日付の欄は、提出日・自社の工期・自社の契約日・三次の工期・三次の契約日の5か所です。この5か所を空にしてから、注文書を見ながら入れ直します。

4つ目の確認では、注文書・注文請書を手元に置いてください。工期の変更があったのに、通知書だけ古い工期のまま、ということがよくあります。

許可・保険・資格の情報が古い

建設業の許可の有効期間は5年です。許可を更新すると、許可年月日が変わります。更新前の通知書を写して作ると、古い年月日のまま出すことになります。

保険も同じです。事業所を移したり、手続きを変えたりすると、加入状況や事業所整理記号等が変わることがあります。変更の通知が届いたら、その日のうちに会社情報の控えも直しておいてください。

主任技術者の専任・非専任の◯漏れと、資格内容の空欄も、元請がよく見る箇所です。事業者IDの空欄も指摘されやすいので、自社と三次の両方を埋めてから出します。

宛先・一次会社名・左右の取り違え

取り違えは、次の4つが多いです。

  • 宛先を元請にしている(正しくは直近上位の注文者のB工業)
  • 左右を逆にして、自社を右側に書いている
  • 元請名称に、一次のB工業の名前を書いている
  • 三次の担当工事内容が自社と同じ文言で、範囲が分からない

左右の取り違えは、B工業から頼まれた情報と、自社が出す通知書を同じ紙だと思い込むと起きます。B工業が出す紙では自社が右、自社が出す紙では自社が左です。書き始める前に、左上に入る会社名を声に出して確かめるだけでも防げます。

提出前の確認と、現場ごとに書き直さないための準備

一次へ渡す前に、5分だけ時間を取って次の点を見てください。

  • 宛先:B工業と、B工業の現場代理人になっているか
  • 元請名称:A建設と、元請の事業者IDが入っているか
  • 日付3つ:提出日・工期・契約日が注文書と合い、工期が上位の内側に収まっているか
  • 許可:最新の許可通知書と、業種・番号・年月日が一致しているか
  • 保険:3つとも加入状況が選ばれ、記号等が入っているか
  • 責任者:現場代理人・主任技術者が今回の現場の人で、専任・非専任に◯があるか
  • 外国人の有無:左右とも有・無が選ばれているか
  • 押印:押印欄の要否が、元請の指示と合っているか

再下請負通知書の書き方を毎回思い出さずに済ませるには、自社の情報を2つに分けて保管します。1つは、会社名・代表者・住所・許可・保険・事業者IDといった変わらない情報です。もう1つは、工事名称・工期・契約日・責任者といった現場ごとの情報です。変わらない情報は1か所にまとめ、更新したらそこだけ直します。

三次の情報は、協力会社ごとにまとめます。その際、許可の有効期限と保険の手続きの時期も控えておきます。期限が近い会社には、現場が決まったときに「更新後の写しをください」と頼めます。

再下請負通知書と同じ情報は、下請負業者編成表や作業員名簿にも書きます。通知書だけを先に作り、編成表は別の日に作ると、片方だけ直して食い違いが出ます。同じ日に、同じ控えから作ってください。

契約内容が変わったときの出し直し

次のようなことがあったら、通知書を出し直します。

  • 工期が延びた、または縮んだ
  • 三次を追加した、または入れ替えた
  • 現場代理人や主任技術者が交代した

例でいえば、D工業の工期が12月10日から延びて、自社の工期12月20日を超えそうなケースです。その場合は、先に自社とB工業の工期の変更も必要になります。

出し直すときは、一次への連絡に「三次の工期を変更したので、右側の工期の欄を直しました」と一言添えてください。B工業は、どこを見ればよいかがすぐ分かります。変更の届け出が要るかどうかと期限は、元請の指示と国土交通省の公式情報で確認してください。

Excelで使い回すときに起きやすいこと

Excelで前の現場のファイルを複製して作ると、日付や責任者を消し忘れやすくなります。特に、提出日や三次の契約日のように、目立たない欄が残りがちです。

会社情報を書類ごとにコピーしている場合も手間がかかります。許可を更新したときに、通知書・編成表・名簿のすべてのファイルを開いて直すことになるからです。

現場が重なる時期には、ファイル名だけではどれが最新か分からなくなります。「通知書_最終」「通知書_最終2」のようなファイルが増えたら、管理の仕方を見直すころ合いです。

SITE BOARD(サイトボード)で再下請負通知書を出す手順

手書きやExcelでの書き直しが負担な場合の一例として、SITE BOARD(サイトボード)で通知書を出す手順を紹介します。サイドバー「書類管理」>「安全書類」を開くと、上に共通項目、その下に書類ごとのタブが並んだ画面が出ます。

安全書類の画面。上に共通項目のカードと現場を選ぶ欄があり、その下に作業員名簿から始まる書類ごとのタブが並んでいる
安全書類の画面。上に共通項目のカードと現場を選ぶ欄があり、その下に作業員名簿から始まる書類ごとのタブが並んでいる

上の「共通項目」に工事・自社・下請会社の情報を1回入れると、「再下請負通知書」のタブは入力なしで出せます。このタブはA3横で、左が自社、右が再下請負業者1社の作りです。下請会社が2社以上あるときは、会社ごとにページが増えます。前の節で書いた「三次が2社なら2枚」の形に、そのままなります。

出力は、タブの上にある枠の「Excel」「PDF」「メールで送信」から行います。PDFは無料期間中も出せます。Excelのダウンロードは本登録(ご契約)後に使えるもので、無料期間中はボタンが「Excel(本登録後)」と表示されて押せません。料金は料金プランで確認できます。

同じ画面のタブからは、作業員名簿・下請負業者編成表など、同じ情報を使う書類も出せます。通知書と編成表が同じ共通項目から作られるので、片方だけ古い情報が残る、ということが起きにくくなります。どの書類も配られている様式ファイルに流し込む形なので、元請にそのまま出せます。

共通項目で自社の立場と上位の会社を入れる

「共通項目を開いて入力」を押し、「自社の立場」で下請を選んで次数に2を入れます。すると、「元請会社名」と「直近上位の注文者」の欄が出ます。例では、元請会社名にA建設、直近上位の注文者にB工業を入れます。二次のときは、一次会社名が空でも、直近上位の注文者が一次会社として扱われます。

「元請の事業者ID」に入れた番号は、通知書の元請名称・事業者IDの欄に入ります。「直近上位の注文者の現場代理人(所長名)」に入れた名前は、通知書の宛名に入ります。ここが空のときは、共通項目の「作業所長(元請の所長)」が宛名に使われます。宛名をB工業の現場代理人にしたいときは、この欄を忘れずに埋めてください。

工期(令和7年10月15日〜12月20日)と注文者との契約日(令和7年10月1日)も、共通項目で入れると通知書に印字されます。

許可・保険・退職金共済は、自社情報の「安全書類の会社情報」などに登録しておくと、新しい現場を作るときに最初から入ります。前に作った現場には、「自社の情報」の右にある「自社情報から取り込む」で入れ直せます。現場代理人や主任技術者などは取り込まれないので、現場ごとに入れてください。

下請会社を協力会社マスタから選んで出力する

D工業は、「+ 下請会社を追加」→「協力会社から選ぶ」で入れます。協力会社マスタに登録してある会社名・代表者・住所・事業者ID・許可・保険が、まとめて入ります。

協力会社の「安全書類の情報」のカード。建設業の許可を2つまでと、健康保険・厚生年金保険・雇用保険の加入状況、退職金共済制度、雇用管理責任者名を登録する欄がある
協力会社の「安全書類の情報」のカード。建設業の許可を2つまでと、健康保険・厚生年金保険・雇用保険の加入状況、退職金共済制度、雇用管理責任者名を登録する欄がある

写真のように、協力会社ごとに許可や保険を登録しておく欄があります。三次から集めた情報をここに入れておけば、次の現場では選ぶだけで済みます。D工業の工期・工事内容・責任者は、行の「欄を開く」から入れます。

行の「上位: 自社」はそのままにします。自社の直下の会社になり、自社が二次なので、行の左に「3次下請」と出ます。左右の取り違えをその場で確かめられます。

入力が済んだら「保存する」を押し、再下請負通知書のタブで「Excel」「PDF」「メールで送信」から出します。出力は保存した内容から作られるので、直したあとは先に保存してください。現場を切り替えると、保存前の入力は残りません。次の現場では、タブの下の「過去に作った再下請負通知書」の一覧から前の現場を開いて、中身を確認できます。

明日からできること|次の現場で一度で通すために

次の現場で一度で通すために、今日のうちにできることを順に挙げます。

  1. 自社の許可通知書・保険の事業所整理記号等・事業者IDを、1枚の紙かファイルにまとめる。次の通知書は、この1枚を見ながら左側を埋めればよくなります
  2. よく使う三次の会社に、許可と保険の写し、現場代理人・主任技術者・安全衛生責任者の氏名をまとめて送ってもらう。三次の節のリストをそのまま送れば、頼む側も答える側も迷いません
  3. 次に通知書を書くときは、宛先→左→右→日付の検算の順で埋める。終わったら、提出前のチェックリストで5分確認してから一次へ渡します

例の現場でいえば、宛先はB工業、左はC内装、右はD工業です。日付は、自社が令和7年10月15日〜12月20日で契約日10月1日、D工業が11月1日〜12月10日で契約日10月20日です。この形を一度手元に作っておけば、再下請負通知書の書き方で迷う場面はほとんどなくなります。次の現場では、工事名称・工期・契約日・責任者を差し替えるだけで済みます。

一次から「今日中に」と言われる場面は、これからもなくならないかもしれません。それでも、変わらない情報が手元にそろっていれば、夜に様式とにらめっこする時間はかなり短くなります。

手書きやExcelでの書き直しが負担なら、SITE BOARDの安全書類をPDFで試してみる選択肢もあります。無料で使い始めるから登録すれば、無料期間中でもPDFで通知書を出して確かめられます。

作業員名簿や施工体制台帳など、同じ情報を使う書類の書き方は、書類・安全管理のコラム一覧にまとめています。通知書と一緒に作る書類を確かめるときに使ってください。

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