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施工体制台帳の書き方と添付書類|全建統一様式第3号を埋める順番

施工体制台帳の書き方を、全建統一様式第3号を5つのかたまりに分けて説明します。元請の会社情報から工事情報、技術者、保険、一次下請の欄まで、どの書類を見て埋めるかを順番に整理しました。添付書類の一覧と、差し戻されやすい記入例の誤りもまとめています。

施工体制台帳 書き方を表すイメージ図
目次

現場を回りながら、夕方に事務所で施工体制台帳の書き方を調べている方に向けて書きます。全建統一様式第3号をプリントしたものの、欄が細かくて、どこに何を書けばよいのか手が止まっていませんか。この記事では、様式を「5つのかたまり」に分け、どの書類を見て、どの順番で埋めるかを説明します。添付書類の一覧と、元請や発注者に差し戻されやすい記入例の誤りもまとめました。初めての1枚を、資料を探し回らずに仕上げるための段取りです。

施工体制台帳の書き方は「上から順」ではなく「5つのかたまり」で考える

様式を上から順になぞると、許可通知書を開き、次に契約書を開き、また許可通知書に戻る、という探し回りが何度も起きます。台帳の欄は、見るべき原本ごとにかたまっています。かたまり単位で埋めれば、1つの書類を1回開くだけで済みます。

順番 埋めるかたまり 手元に用意する原本
① 元請(自社)の会社欄 建設業許可通知書(または許可証の写し)
② 工事の情報 発注者との請負契約書
③ 元請の技術者欄 監理技術者資格者証・主任技術者の資格証
④ 保険の加入状況 健康保険・厚生年金・雇用保険が分かる書類
⑤ 一次下請の欄 下請負契約書・下請の許可証の写し・再下請負通知書

もう1つ、先に頭に入れておきたいのが様式の作りです。全建統一様式第3号はA3横で、左半分が元請(自社)、右半分が下請1社という構成になっています。つまり、一次下請が3社いれば、左半分がまったく同じ台帳が3枚できます。①〜④は3枚とも同じ内容、⑤だけが会社ごとに変わる、という理解で作ると迷いません。

施工体制台帳が下請1社につき1枚になる構造。左半分の元請欄は共通で、右半分の下請欄だけが会社ごとに変わる
施工体制台帳が下請1社につき1枚になる構造。左半分の元請欄は共通で、右半分の下請欄だけが会社ごとに変わる

作成義務の目安は、元請として結んだ下請契約の総額が一定額以上のときです。公共工事の場合は、金額に関係なく作成します。この基準額は建設業法施行令の改正で見直されることがあり、総額の数え方(消費税の扱い、追加変更契約の合算など)にも決まりがあります。義務があるかどうかの判断で迷う段階なら、先に国土交通省の「施工体制台帳、施工体系図等」のページや、発注機関が出している記入要領で確認してください。いまの基準額と、下請契約の合計・税込での数え方、追加工事で基準を超えたときの動きは、次の記事で金額例つきで整理しています。

施工体制台帳 金額を表すイメージ図 関連記事書類・安全管理 施工体制台帳の金額基準|4,500万円は旧基準。税込・下請合計の数え方 施工体制台帳の金額基準は、元請が直接結ぶ下請契約の税込合計で判定します。4,500万円は2025年1月までの旧基準です。税抜4,580万円でも作成が必要になる例、追加工事で超えたときの動き、公共工事の扱いを金額例で整理します。 記事を読む

作ったあとにすることも先に押さえておきます。台帳は工事現場ごとに備え置き、発注者から請求があれば閲覧できるようにします。公共工事では、写しを発注者へ提出する扱いが一般的です。下請が増えたり技術者が替わったりしたら、その都度書き換えます。工事が終わったあとの保存期間も定められているため、現場ごとにひとまとめにして残しておくと安心です。

埋める前に集めておく書類のチェックリスト

書き始める前に、次の書類を机の上に並べます。ここで揃っていれば、途中で手が止まりません。

  • 自社ぶん:建設業許可通知書、社会保険・雇用保険の加入が分かる書類(事業所整理記号や労働保険番号が載っているもの)、監理技術者資格者証または主任技術者の資格証、退職金共済の加入が分かるもの
  • 工事ぶん:発注者との請負契約書(工事名称・工期・契約日・契約金額・契約した営業所が書いてあるもの)
  • 下請ぶん:下請負契約書の写し、下請の建設業許可証の写し、再下請負通知書、下請の技術者の資格と雇用関係が分かる書類

集めた原本は、コピーを取るついでにPDFにして、現場ごとのフォルダへ入れておきます。台帳は途中で必ず書き換えが発生します。半年後の変更のときに、また社内を探し回らずに済みます。

様式ファイルはどこから入手するか

全建統一様式は、建設業労働災害防止協会(建災防)や全国建設業協会が配布しているものが広く使われています。元請から様式ファイルを指定されている現場では、必ず指定されたファイルを使ってください。自社で用意した別の版で作ると、欄の数や項目名が違い、まるごと作り直しになることがあります。

公共工事では、発注機関が独自の様式と記入要領を公表している場合があります。国土交通省の地方整備局や都道府県の発注課のページに、施工体制台帳と施工体系図の記入例が載っていることが多いので、着工前に一度目を通しておくと安心です。

下請が増えるたびに枚数が増える。台帳と施工体系図の関係

台帳は下請1社につき1枚です。会社が増えれば枚数も増えます。これに対して施工体系図は、元請から末端の下請までのつながりを1枚の図にしたものです。書く材料は台帳とまったく同じで、会社名・担当工事内容・工期・技術者名を図の形に置き換えたものになります。

さらに、下請負業者編成表と再下請負通知書も、同じ会社情報を使います。つまり1つの現場で、同じ会社名・許可番号・工期を4回書くことになります。バラバラの様式に手書きやコピペで書き写すと、1か所だけ直し忘れて食い違う、という事故が起きます。この重複をどう減らすかは、記事の後半でまとめます。

①元請(自社)の会社欄:許可番号と事業者IDは許可通知書を見て写す

まず左上の自社欄です。会社名・住所・代表者名は、登記と同じ表記で書きます。「株式会社」を「(株)」と略すと、発注者や元請の照合で引っかかることがあります。契約書に書いた表記に合わせるのが無難です。住所も「1-2-3」ではなく「一丁目2番3号」のように、登記や契約書の書き方をそのまま写します。

建設業の許可は、許可通知書から許可番号・許可を受けた業種・許可年月日を写します。許可番号は「○○県知事許可(般-5)第00000号」のような形です。ここで押さえる点が3つあります。

  1. 大臣許可か知事許可かを取り違えない。営業所が1つの都道府県内だけなら知事許可です。
  2. 一般か特定かを業種ごとに確認する。カッコ内の「般」「特」がそれです。下請契約の総額が基準以上になる工事を元請として請け負うなら、その業種の特定建設業の許可が必要です。
  3. 許可年月日を更新前のままにしない。許可は5年ごとの更新で、更新のたびに許可年月日が変わります。古い通知書を見て書くと、そのまま差し戻されます。

様式の許可欄は2行あるので、この工事に関係する業種を2件まで書けます。屋根工事と板金工事の両方で請けている、というような場合は2行とも埋めます。3業種以上に関わる工事でも欄は2行しかないため、主たる業種を優先します。

建設キャリアアップシステム(CCUS)の事業者IDを、会社名の欄に書く版の様式があります。新しい版の様式では、会社名の欄に事業者ID、事業所名の欄に現場IDが入る作りになっています。自社が使っている様式ファイルがどちらの版かを、書き始める前に確認してください。

最後が営業所の欄です。発注者と契約した営業所と下請契約を締結した営業所は別々の欄になっています。ここには、契約書に書かれている営業所名を書きます。本店で発注者と契約し、同じ本店で下請とも契約したのなら、下請契約の欄は記入要領のとおり「同上」と書いて構いません。支店が現場を担当していても、契約書の名義が本店なら本店と書きます。現場を持っている営業所名を書いてしまう間違いが起きやすい欄です。

②工事の情報:工事名称・工期・発注者・契約日は契約書1枚から全部写す

ここは請負契約書を1枚開けば全部埋まります。順に写していきます。

工事名称は、契約書の表記をそのまま使います。社内や現場で「田中様邸」と呼んでいても、契約書が「田中邸屋根葺き替え工事」なら後者です。発注者側の書類や請求書と名称が食い違うと、後の突き合わせで手間が増えます。

発注者名と発注者住所は、契約書の甲欄から写します。民間工事では、会社名だけでなく住所まで必要です。個人のお客様が発注者の場合も、契約書に書かれた住所を記載します。

工期は着工予定年月日と完成予定年月日を書きます。これとは別に注文者との契約日の欄があります。契約日は契約書を締結した日であって、着工日ではありません。ここを混同して着工日を書いてしまう例が多く、契約書の写しと突き合わせた時点で指摘されます。契約書の最終ページにある締結日を確認してください。

発注者の監督員名と「その権限及び意見申出方法」の欄は、発注者側が監督員を置いている場合に書きます。置かれていなければ空欄のままで構いません。権限の欄は、契約約款に定めがあるのが通常なので「契約書記載のとおり」と書きます。ここに独自の説明文を書く必要はありません。

契約金額については、発注者の求めに応じて記載しない扱いにすることがあります。公共工事では記載を求められることが多く、民間工事では発注者の意向によります。台帳を作る前に、発注者や元請の指示を確認しておくと二度手間になりません。

工事内容の書き方で迷ったとき

工事内容の欄は、工種と数量まで書くと後の書類が楽になります。たとえば「屋根葺き替え工事一式 180㎡」のように書きます。ここが「一式」だけだと、下請の担当工事内容と並べたときに、どこまでが誰の範囲か読み取れません。

様式の欄は横幅が狭いので、長くなりすぎないよう調整します。目安は次のとおりです。

  • 工種名+主要な数量を1つ(例:外壁塗装工事 320㎡)
  • 材料名や細かい内訳のかっこ書きは省く
  • 複数工種のときは「屋根葺き替え・雨樋交換工事」のように中点でつなぐ

下請の担当工事内容も、同じ粒度でそろえます。元請が「屋根葺き替え工事一式 180㎡」なら、下請は「屋根葺き替え工事 180㎡」「足場組立解体 一式」のように、同じ言い方で書きます。粒度がそろっていると、そのまま施工体系図に転記でき、発注者が見たときに役割分担が一目で分かります。

数量を書くときは、見積りの拾い出しで使った数字をそのまま持ってきます。屋根面積や塗装面積を電卓でやり直すと、見積りと台帳で数字が食い違います。勾配の伸び率から屋根面積を出す手順は、次の記事にまとめています。

屋根 伸び率を表すイメージ図 関連記事業務効率化・DX 屋根の伸び率早見表|4寸1.077・5寸1.118と計算式・隅棟伸び率 屋根の伸び率(勾配係数)とは、水平投影面積に掛けて実際の屋根面積を出す係数で、4寸1.077・5寸1.118・6寸1.166です。早見表と屋根の伸び率の計算式、隅棟伸び率、図面がないときの勾配の測り方を寄棟の例題で示します。 記事を読む

③元請の技術者欄:監理技術者・主任技術者・専門技術者・現場代理人の書き分け

技術者の欄は、名前を書くだけの欄に見えて、書き分けを間違えると全部直しになる場所です。

まず監理技術者か主任技術者かです。下請契約の総額が基準以上で、特定建設業者として元請になる工事では監理技術者を置きます。それ以外は主任技術者です。台帳の欄も分かれているので、置いた技術者に対応する欄だけを埋めます。両方に名前を書く必要はありません。

資格内容は、資格証の記載どおりに写します。「1級建築施工管理技士」を「1建」「1級建施」のように略さないでください。監理技術者の場合は、資格者証の交付番号も求められることがあります。資格証を手元に置き、文字を1つずつ見ながら書くのが結局いちばん早い方法です。

専任か非専任かの別は必ず記入します。公共性のある施設や工作物に関する重要な工事で、請負代金が一定額以上の場合は専任が求められます。金額の基準は政令で定められており、改正されることがあります。専任が必要な工事の範囲は、国土交通省の公式情報や発注機関の指示で確認してください。

専門技術者は、自社で施工する土木一式工事・建築一式工事以外の専門工事について置く技術者です。一式工事を請け負い、その中の専門工事を自社で施工するときに必要になります。名前だけでなく、担当する工事内容も併せて書きます。様式には2人ぶん書ける欄があります。

現場代理人の欄には、「権限及び意見申出方法」が付いています。ここも通常は「契約書記載のとおり」です。このほか、置いている場合は次の欄も埋めます。

  • 監理技術者補佐名
  • 登録基幹技能者名(担当する工事内容も)
  • 安全衛生推進者
  • 雇用管理責任者

**外国人建設就労者・外国人技能実習生の従事の状況(有無)**は、いない場合も「無」と書きます。空欄のままだと、書き忘れなのか該当なしなのか判断できず、確認の電話が来ます。有無を問う欄は、無くても書く、と覚えてください。

よくある迷い:現場代理人と監理技術者は兼ねられるか

同じ人が現場代理人と監理技術者を兼ねてよいかは、契約約款と発注者の指示によります。多くの契約約款では兼務を認める規定がありますが、工事によっては認めていない場合もあります。台帳に同じ名前を2か所書く前に、契約書の該当条項を読み、発注者に確認してください。会社ごと・工事ごとに扱いが違う部分です。

兼務させるときに気をつけるのが、専任の重複です。専任が必要な工事では、その技術者はほかの現場と掛け持ちできません。名簿上で1人の技術者を複数現場に登録していると、監査や検査で指摘されます。

工事の途中で技術者を交代したときは、台帳の技術者欄を書き換え、添付している資格証も新しい人のものに差し替えます。台帳だけ直して添付書類が前任者のまま、という食い違いが起きやすいので、同じ日にセットで直してください。

④保険の加入状況:健康保険・厚生年金・雇用保険の3つを「加入/未加入/適用除外」で書く

保険の欄は、3つの保険それぞれに加入状況と事業所整理記号等を書きます。書く内容は保険ごとに違います。

保険 加入状況 事業所整理記号等に書くもの
健康保険 加入/未加入/適用除外 事業所整理記号と事業所番号(健康保険組合なら組合名)
厚生年金保険 加入/未加入/適用除外 事業所整理記号と事業所番号
雇用保険 加入/未加入/適用除外 労働保険番号

いちばん多い間違いが、営業所の記号の取り違えです。営業所ごとに適用事業所となっていて記号が別々の会社では、この工事の契約営業所の記号を書きます。本店で一括して適用を受けている営業所なら、本店の記号・番号を書きます。本社の記号をそのまま写して差し戻される例が多く見られます。どの営業所の番号かは、保険料の納入告知書や適用通知書で確認できます。

「適用除外」を選べるのは、法律上そもそも適用されない場合に限られます。従業員が少ないから未加入、社会保険料の負担が重いから入っていない、というのは適用除外ではありません。適用除外に当たる例としては、健康保険の代わりに建設国保などの国民健康保険組合に加入していて健康保険の適用除外の承認を受けている場合や、役員のみで雇用する労働者がいないため雇用保険の適用がない場合などがあります。加入義務の範囲は日本年金機構の適用事業所に関するページで確認でき、判断に迷うときは年金事務所や労働局、社会保険労務士に相談してください。会社の状況によって扱いが異なります。

退職金共済制度の欄も忘れやすい場所です。建退共・中退共・その他・無から、加入している制度に印を付けます。建退共に加入していれば建退共に印を付け、加入していなければ「無」に印を付けます。ここも空欄のままにしないでください。

この4項目(3保険+退職金共済)は、下請の欄でもまったく同じ形式で書きます。だから、下請に加入状況を聞くときは、加入しているかどうかだけでなく整理記号や労働保険番号まで一緒にもらってください。「加入しています」という返事だけをもらって、あとから番号を聞き直す、という往復がとても多いところです。依頼のときに「保険料の納入告知書など、整理記号や番号が分かる書類の写しをください」と具体的に伝えると、1回で揃います。

⑤一次下請の欄:再下請負通知書が届いてから書くと二度手間にならない

様式の右半分が下請の欄です。ここは下請負契約書の写しと下請の許可証の写し、そして再下請負通知書の3点が揃ってから書きます。

書く内容は、左半分の自社欄とほぼ同じ並びです。

  • 会社名・住所・代表者名・電話番号・事業者ID
  • 建設業の許可(許可番号・業種・許可年月日)
  • 工期(下請の着工予定・完成予定)と契約日
  • 担当工事内容
  • 主任技術者名と資格内容、専任/非専任
  • 安全衛生責任者、雇用管理責任者
  • 保険の加入状況と事業所整理記号等、退職金共済

下請の建設業許可は、請け負う工事が軽微な建設工事に当たらなければ必要です。金額の基準は建設業法施行令で定められているため、迷う場合は国土交通省や許可行政庁の公式情報で確認してください。許可が要る規模なのに許可証の写しをもらえていないときは、契約前に確認します。

工期は、元請工事全体の工期ではなく、その下請の工期を書きます。足場業者なら組立から解体までの期間、屋根業者なら葺き替えの期間です。全部の下請に元請工期をそのまま書いていると、施工体系図と並べたときに不自然になります。契約日も、下請と契約した日であって、発注者との契約日ではありません。

二次以下の会社については、一次下請から提出される再下請負通知書の内容を台帳に反映します。一次下請が誰に再下請させるかは、元請が先回りして書くものではありません。口頭で聞いた話をもとに埋めると、実際に届いた通知書と会社名や工期が違い、書き直しになります。契約が決まった段階で、一次下請に再下請負通知書の提出を依頼し、届いた内容を写すのが結局いちばん早い進め方です。

再下請負通知書は全建統一様式第1号-甲で、A3横に左が報告する下請、右が再下請負業者1社という作りです。台帳と同じく、再下請が2社いれば2枚になります。届いた通知書の会社名・許可番号・工期・技術者名を、そのまま台帳の下請欄へ写せば済むように作られています。ここを逆に、元請が台帳を先に作って後から通知書と突き合わせると、食い違いの修正に時間がかかります。

下請が増えたとき、途中で抜けたとき、技術者が替わったときは、その都度台帳を更新します。まとめて月末に直そうとすると、どの書類が最新か分からなくなります。

下請への依頼を1通のメールにまとめる

協力会社に依頼するものは、次の5点です。バラバラに連絡すると、相手も出し忘れます。

  1. 下請負契約書(注文書・請書の場合はそのセット)の返送
  2. 建設業許可証の写し
  3. 保険の加入が分かる書類(整理記号・労働保険番号が読めるもの)
  4. 主任技術者の資格証の写しと、雇用関係が分かる書類の写し
  5. 再下請負通知書(二次下請がいない場合も、いない旨で提出)

この5点を並べた依頼文をひな形にして、現場ごとに工事名と提出期限だけ差し替えて送ります。聞き漏らしと再依頼の電話が確実に減ります。

あわせて、協力会社ごとに建設業許可の有効期限を控えておいてください。許可は5年ごとの更新です。前回の現場でもらった写しを使い回すと、更新済みなのに古い許可年月日で台帳を作ってしまいます。有効期限の一覧を作り、期限が近い会社には新しい写しを依頼します。

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施工体制台帳の添付書類の一覧と、抜けやすい書類

台帳は、単体では完成しません。契約関係と技術者関係の書類を添えて、はじめて体制を証明できる形になります。

契約関係

  • 発注者との請負契約書の写し
  • 下請負契約書の写し(注文書・請書で契約した場合は、注文書・請書と約款のセット)
  • 再下請負通知書
  • 下請の建設業許可証(または許可通知書)の写し

技術者関係

  • 監理技術者資格者証の写し
  • 監理技術者講習修了証の写し
  • 主任技術者の資格を証明する書類の写し
  • 技術者の雇用関係を確かめる書類の写し(健康保険の資格確認書や資格情報のお知らせの写しなど。紙の健康保険証は2024年12月に新しい発行が終わっています。記号・番号などはマスキングして提出する運用が一般的です)

専任が必要な工事では、その技術者が専任であることを確かめる書類を求められる場合があります。求められる書類の種類は発注機関によって異なります。

抜けやすいものを挙げます。

抜けやすい書類 起きやすい場面
注文書・請書の約款 注文書と請書だけコピーして、約款を付け忘れる
追加変更契約の書類 工期延長や増額の変更契約を結んだのに、台帳が当初のまま
途中から入った下請の契約書 工事中盤に増えた業者のぶんを足していない
交代後の技術者の資格証 台帳の名前は直したが、添付が前任者のまま

公共工事では、発注機関ごとに添付書類の指定や独自の様式があります。国土交通省の各地方整備局や、自治体の発注課が公表している記入要領を先に確認してください。指定と違う様式で作ると、まるごと作り直しになります。

できあがった台帳と添付書類は、台帳一式として現場に備え置きます。発注者から閲覧を求められたら、その場で見せられる状態にしておきます。現場事務所のファイルに綴じ、更新したら差し替える、という運用にしておくと安全です。安全書類全体の並びについては、コラムの書類・安全管理のカテゴリにまとめた記事もあわせて確認できます。

台帳一式の綴じ方と、閲覧を求められたときの並べ方

綴じる順番を決めておくと、発注者に見せるときに探さずに済みます。実務では次の順が使いやすい並びです。

  1. 施工体制台帳(下請の会社ごとに1枚ずつ)
  2. 発注者との請負契約書の写し
  3. 元請の技術者の資格証・講習修了証・雇用関係の書類
  4. 下請ごとのセット(下請負契約書の写し → 許可証の写し → 技術者の資格証 → 再下請負通知書)
  5. 施工体系図・下請負業者編成表

4の「下請ごとのセット」は、台帳の枚数と同じ数だけできます。ここが一致しているかを数えるだけで、抜けの大半は見つかります。台帳が3枚なのに下請の契約書が2社ぶんしかなければ、どこかが未回収です。

差し戻されやすい書き方の誤り

実際に指摘されやすい点を並べます。提出前の見直しで、この7つだけは確認してください。

  1. 許可の知事/大臣、一般/特定の取り違え。更新後なのに許可年月日が前のまま
  2. 保険の事業所整理記号が本社のもので、契約営業所と食い違っている
  3. 技術者の資格内容が略記で、資格証の記載と一致していない
  4. 工期が契約書と違う。着工日を契約日として書いている
  5. 下請の担当工事内容が「一式」だけで、どこまでの範囲か読み取れない
  6. 「有無」を問う欄が空欄。無い場合も「無」と書く
  7. 下請が増えたのに、台帳の枚数が足りていない

記入例を探して見比べる前に、この7つを自分の台帳で確認するほうが早く直せます。どれも、原本と1文字ずつ突き合わせれば防げるものばかりです。

同じ情報を4回書かない:台帳・体系図・編成表・再下請負通知書をまとめて作る

施工体制台帳・施工体系図・下請負業者編成表・再下請負通知書は、元請の会社情報・工事情報・下請のつながりという同じ材料からできています。様式が別々なので、Excelファイルを4つ開いて同じことを4回打つ、という作り方になりがちです。時間がかかるうえ、1か所だけ直し忘れて食い違う原因にもなります。

SITE BOARD(サイトボード)の サイドバー「書類管理」>「安全書類」では、画面の上にある「共通項目」に、工事の情報・自社の情報・下請会社を1回だけ入れます。あとは書類ごとのタブを切り替えて出力します。

安全書類の画面。上に共通項目のカードと現場の選択、その下に書類ごとのタブが並ぶ
安全書類の画面。上に共通項目のカードと現場の選択、その下に書類ごとのタブが並ぶ

共通項目に入れる内容は、この記事で説明してきた5つのかたまりとほぼ同じです。

  • 工事の情報:工事名称、現場名、工事内容、工期、注文者との契約日、発注者名と発注者の住所、発注者の監督員名とその権限
  • 自社の情報:事業者ID、建設業の許可(2件まで)、健康保険等の加入状況と事業所整理記号等、営業所の名称、退職金共済制度、現場代理人・主任技術者・専門技術者などの責任者
  • 下請会社:1社ずつ追加し、会社名・住所・電話・工期・工事内容・許可・保険・責任者を入れる

自社の許可や保険は、毎回入れ直す必要がありません。自社情報に登録しておくと、新しい現場を作るときの初期値になります。前に作った現場でも、「自社の情報」の右にある「自社情報から取り込む」ボタンで、事業者ID・建設業の許可(2つ目まで)・健康保険等の加入状況・営業所の名称・退職金共済をまとめて入れ直せます。なお、現場代理人や主任技術者は現場ごとに変わるため、この取り込みには含まれません。

下請会社は、協力会社マスタから選ぶと、会社名・代表者・住所・電話・FAX・事業者IDと、登録済みの許可・保険・退職金共済がまとめて入ります。許可証の写しを見ながら番号を打ち直す作業がなくなります。各行の「上位」の欄で、その下請に注文した会社を選びます。「自社」のままなら一次下請、ほかの行を選べばその会社の下になり、行の左に「1次下請」「2次下請」と表示されます。つながりをその場で確かめられるので、体系図を書いてから間違いに気づく、ということが減ります。

施工体制台帳のタブには入力欄がありません。共通項目だけで出力できます。

施工体制台帳のタブ。「施工体制台帳 を出力」の枠と、下に過去に作った台帳の一覧
施工体制台帳のタブ。「施工体制台帳 を出力」の枠と、下に過去に作った台帳の一覧

出力は全建統一様式第3号そのままのPDFです。SITE BOARD が独自に作った書式ではなく、配られている様式ファイルに流し込む形なので、元請や発注者にそのまま提出できます。下請会社が3社なら3枚(3シート)で出ます。Excelのダウンロードは本登録後に使える機能で、無料期間中はPDFで出せます。料金は料金プランのページで確認してください。

台帳と同じ材料から出せるほかの書類

同じ共通項目から、次の書類も入力なしで出せます。どれも配られている様式ファイルそのままです。

書類 様式 入力
再下請負通知書 全建統一様式第1号-甲 なし(共通項目から)
下請負業者編成表 全建統一様式第1号-乙 なし(共通項目から)
施工体系図 様式番号なし 会長・元方安全衛生管理者・副会長のみ
施工体制台帳 全建統一様式第3号 なし(共通項目から)

施工体系図は、左が元請の欄、右が会社の箱(4列×4段)で、列が次数(左から1次・2次・3次・4次)です。共通項目で入れた「上位」のつながりのとおりに会社が置かれます。箱の左の縦長の欄には、その会社の許可業種(例:屋根工事)が入ります。台帳で会社を1社足せば、体系図と編成表の会社も一緒に増えるので、直し忘れによる食い違いが起きません。

下請負業者編成表は、上の枠が自社、その下に自社の直下の会社・さらにその下と3段並びます。列が親から子へのつながりで、ある会社の下請が2社あるときは右の列に広がります。担当工事内容の枠は小さいので、長い工事内容は後ろのかっこ書きを省いて入ります。台帳の工事内容を短めにそろえておくと、ここでも読みやすく収まります。

タブの並びは、いちばん左が作業員名簿です。そこから、入力の元になる書類・どの現場でも使う書類ほど左に並び、元請のときだけ作る施工体系図と施工体制台帳は右端にあります。作業員名簿から順に入れていけば、台帳までたどり着いたときには入力が終わっている、という流れです。

現場IDが入る新しい様式

施工体制台帳の様式は、会社名の欄に建設キャリアアップシステムの事業者ID、事業所名の欄に現場IDが入る新しい版に差し替えてあります。現場IDは、いちばん左の「作業員名簿」のタブで入れたものが、台帳の「[事業所名・現場ID]」に一緒に印字されます。作業員名簿と台帳で現場IDを二重に入力する必要はありません。

そのほか、監理技術者補佐名・登録基幹技能者名・監督員・発注者の監督員・2つ目の許可業種も、共通項目で入れた内容がそのまま入ります。2人目の専門技術者は、自社が元請のときに出る「2人目の専門技術者」の欄から反映されます。

営業所の扱いも記入要領どおりです。発注者と契約した営業所と、下請契約を結んだ営業所が同じときは、下請契約の欄に「同上」と入ります。狭い欄に長い文字が入る場合は、枠に収まるよう縮めて印字されます。様式ファイルに付いていた入力欄の薄い黄色の塗りは、提出用に色を消して出力されます。

出力は保存した内容から作られます。入力を直したら、先に画面下のバーにある「保存する」を押してください。保存はどのタブからでも、画面全部の入力をまとめて行われます。現場を切り替える前にも保存が必要です。

明日からの段取り:最初の1枚を半日で仕上げるために

最後に、明日から手をつける順番をまとめます。

1. 自社情報を1回だけ登録する 建設業許可(2件)、事業者ID、健康保険等の加入状況と事業所整理記号、営業所の名称、退職金共済。この5つを登録しておけば、次の現場から元請の欄を探し直す作業がなくなります。許可通知書を1回だけ引っ張り出す手間で、以降の現場が楽になります。

2. 協力会社の書類は契約のタイミングでもらう 許可証の写し、保険の書類、技術者の資格証、雇用関係が分かる書類。この4点は、契約書を交わすときにセットで依頼します。工事が始まってから集めようとすると、相手も現場に出ていて連絡がつかず、現場が回らなくなります。前に挙げた5点の依頼ひな形を、契約書送付メールに組み込んでおくのが確実です。

3. 変更があった日に直す 下請が1社増えた日、技術者が交代した日、工期を延長した日。その日のうちに台帳を直し、添付書類も差し替えます。まとめて直そうとすると、台帳と添付書類の食い違いが必ず出ます。台帳の枚数と添付した下請契約書の枚数が一致しているか、直したついでに数えてください。

4. 義務があるかどうかで迷ったら金額の数え方から確認する 下請契約の総額の数え方(複数の下請契約の合算、追加変更契約の扱いなど)には決まりがあります。基準額そのものも改正されることがあります。作成義務の有無を判断する段階なら、国土交通省や発注機関の公式情報を先に確認してください。

5. 様式と添付書類の指定は発注者・元請に確認する 記入要領の細かい運用や、添付書類の指定は、発注機関や元請によって違います。この記事で説明した施工体制台帳の書き方は一般的な流れであり、最終的な判断は指定の記入要領に従ってください。

安全書類全体の並びや、作業員名簿から順に作っていく手順を知りたいときは、コラム一覧から関連する記事をたどれます。まずは自社情報の登録と、協力会社への依頼ひな形づくりから始めてみてください。次の現場の1枚目が、ずいぶん早く終わるはずです。

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